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2型糖尿病の症状|見逃し厳禁!知っておくべき初期サイン

[2025.06.29]

2型糖尿病は、日本で最も患者数の多い糖尿病のタイプです。生活習慣病として知られ、食生活の欧米化や運動不足、ストレスなどが原因で発症することが増えています。初期にはほとんど自覚症状がないため、気づかないうちに進行してしまうことも少なくありません。
しかし、放置すると全身に様々な合併症を引き起こし、生活の質を著しく低下させる可能性があります。この記事では、2型糖尿病の主な症状や初期サイン、原因、そして早期発見・治療の重要性について詳しく解説します。ご自身の健康状態を確認するためにも、ぜひ最後までお読みください。

2型糖尿病の症状とは

2型糖尿病は、血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)が慢性的に高くなる病気です。血糖値が高い状態が続くと、全身の血管や神経が少しずつ障害されていき、様々な症状が現れます。しかし、残念ながら、血糖値が多少高いだけでは、多くの人は特別な症状を感じません。これは、私たちの体が血糖値が高い状態に慣れてしまい、それが「異常」だと認識しにくくなるためです。

具体的な症状が現れるのは、血糖値がかなり高くなってからであることが多いです。その症状は、全身にわたることが特徴です。

2型糖尿病の主な症状

血糖値が著しく高くなった場合に現れやすい代表的な症状をいくつかご紹介します。これらの症状に気づいたら、すぐに医療機関を受診することが非常に重要です。

喉の渇きと多飲(ペットボトル症候群)

高血糖になると、血液中のブドウ糖濃度を下げるために、体は水分をたくさん使ってブドウ糖を薄めようとします。また、余分なブドウ糖を尿として排泄しようとするため、体内の水分が失われやすくなります。この結果、非常に強い喉の渇きを感じるようになります。

喉が渇くため、冷たい飲み物や甘い清涼飲料水を頻繁に飲むようになります。特に、清涼飲料水には多くの糖分が含まれているため、飲めば飲むほど血糖値が上がり、さらに喉が渇くという悪循環に陥ることがあります。これを「ペットボトル症候群」と呼ぶことがありますが、これは正式な病名ではなく、清涼飲料水の飲みすぎによって急激に血糖コントロールが悪化する状態を指す俗称です。

喉が異常に渇き、1日に何リットルも水分を摂るようになった場合は、高血糖を強く疑う必要があります。

多尿・頻尿

高血糖によって血液中のブドウ糖が腎臓の処理能力を超えると、ブドウ糖は尿と一緒に体の外へ排泄されます。このとき、ブドウ糖は水分を引きつける性質があるため、尿の量が増えます。その結果、トイレに行く回数が増えたり、一度に大量の尿が出たりする「多尿」の症状が現れます。

多尿になると、夜間もトイレに起きる回数が増える「頻尿」につながり、睡眠が妨げられることもあります。喉の渇きと多尿はセットで現れることが多く、高血糖を示すサインとして非常に分かりやすい症状です。

全身の倦怠感・疲労感

体がエネルギー源としてブドウ糖をうまく利用できなくなると、エネルギー不足の状態になります。インスリンの働きが弱まったり、インスリンの量が不足したりすることで、血液中のブドウ糖が細胞内に取り込まれにくくなるためです。

このエネルギー不足は全身に影響し、強い倦怠感や疲労感を引き起こします。十分な睡眠をとっても疲れがとれない、以前よりも体がだるく、何をしてもおっくうに感じる、といった症状がある場合は注意が必要です。

急な体重減少

糖尿病が進行して血糖値が非常に高くなると、体はブドウ糖をエネルギーとして利用できない代わりに、筋肉や脂肪を分解してエネルギーを得ようとします。また、尿と一緒にブドウ糖が排泄される際に、多くのカロリーも失われます。

この結果、特に食事量を大きく変えていないのに、短期間で急激に体重が減少することがあります。これは一見すると良いことのように思えるかもしれませんが、実際には体が深刻なエネルギー不足に陥っているサインであり、非常に危険な状態です。

食べても痩せる

上記の体重減少と関連しますが、食欲は正常またはむしろ亢進しているにもかかわらず、エネルギーが体内で効率よく使われず尿として排泄されてしまうため、体重が減少するという現象が起こります。これは、エネルギー源であるブドウ糖が細胞に取り込まれず、体から失われてしまうために起こる症状です。たくさん食べているのに痩せていく場合は、単なるダイエットとは全く異なり、病的な体重減少の可能性を強く疑う必要があります。

視力低下・かすみ目

高血糖は全身の細い血管を傷つけます。目の網膜にある血管も例外ではなく、ダメージを受けると出血したり、むくみが生じたりします。これを糖尿病網膜症と呼びます。

糖尿病網膜症の初期段階では自覚症状がないことが多いですが、進行すると視力低下やかすみ目、物がゆがんで見える、飛蚊症(目の前に虫のようなものが飛んで見える)などの症状が現れます。重症化すると失明に至ることもあります。高血糖によって一時的に目のピント調節機能が低下し、一時的に視力が変動することもあります。

手足のしびれ・痛み

高血糖は神経も傷つけます。特に、手足の末梢神経が障害されやすく、これを糖尿病神経障害と呼びます。

糖尿病神経障害の初期症状として、手足の指先や足の裏などにピリピリ、ジンジンといったしびれや痛みが現れることがあります。症状は左右対称に現れることが多く、特に夜間に強くなる傾向があります。症状が進行すると、感覚が鈍くなり、熱さや冷たさ、痛みを感じにくくなることもあります。感覚が鈍くなることは、怪我や感染に気づきにくくなるため、後述する足病変のリスクを高めます。

傷が治りにくい・化膿しやすい

高血糖の状態では、体の免疫機能が低下し、細菌などに対する抵抗力が弱まります。また、血管や神経の障害によって、傷口に必要な栄養や酸素が届きにくくなったり、血行が悪くなったりします。

これらの要因が複合的に作用し、一度できた傷が治りにくくなったり、細菌に感染して化膿しやすくなったりします。特に足の指先や足の裏にできた小さな傷でも、気づかないうちに悪化し、重症化することがあります。

皮膚のかゆみ

高血糖によって皮膚が乾燥しやすくなったり、皮膚のバリア機能が低下したりすることが、全身のかゆみを引き起こすことがあります。また、免疫力の低下により、カンジダなどの真菌感染や細菌感染を起こしやすくなり、これもかゆみの原因となります。

特定の場所に湿疹などがないのに、全身が慢性的にかゆい場合は、糖尿病の可能性も考えられます。

2型糖尿病の初期症状・自覚症状

先に述べた主な症状は、ある程度糖尿病が進行し、血糖値がかなり高くなった場合に現れるものです。では、病気の初期にはどのような症状があるのでしょうか。

初期には自覚症状がほとんどないことが多い

残念ながら、2型糖尿病の初期段階では、多くの人に自覚できる症状がほとんどありません。血糖値が正常範囲を超えていても、体がそれに慣れてしまい、不快感や異常を感じにくいのです。

「なんとなく疲れやすいかな」「ちょっと喉が渇く気がする」といった漠然とした症状を感じることはあっても、それが糖尿病と結びつけて考えられるほど明確な症状ではないことがほとんどです。

健康診断で気づくケースが多い

そのため、2型糖尿病は、健康診断や人間ドックで初めて指摘されて発見されるケースが非常に多いです。血液検査で血糖値やHbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)の値が高いことを知り、精密検査を受けることで診断に至ります。

特に、40歳を過ぎると糖尿病の発症リスクが高まると言われています。毎年健康診断をきちんと受け、血糖値やHbA1cの項目をチェックすることが、2型糖尿病の早期発見には不可欠です。過去の健康診断で血糖値が高めだと指摘されたことがある方も、油断せずに継続的にチェックすることが重要です。

2型糖尿病の原因とは

2型糖尿病の発症には、様々な要因が複雑に絡み合っています。主な原因を理解することで、予防や改善のための対策も見えてきます。

生活習慣(食生活、運動不足、肥満)

2型糖尿病の最も大きな原因と考えられているのが、不適切な生活習慣です。

  • 食生活: 糖分や脂肪分の多い食事、高カロリーな食事の摂りすぎ、不規則な食事時間、早食い、欠食などが挙げられます。特に、清涼飲料水や菓子類、加工食品の過剰な摂取は、急激な血糖値の上昇を招きやすく、膵臓への負担を増やします。
  • 運動不足: 運動量が少ないと、体はブドウ糖をエネルギーとして消費する機会が減り、血糖値が下がりにくくなります。また、筋肉量が少ないと、ブドウ糖を取り込む能力が低下します。
  • 肥満: 特に内臓脂肪型の肥満は、インスリンの働きを妨げる物質を分泌させ、インスリン抵抗性(インスリンが効きにくい状態)を高めます。これが高血糖につながります。腹囲が大きい方は特に注意が必要です。

遺伝的要因

2型糖尿病は、体質的にインスリンの分泌能力が弱かったり、インスリンが効きにくい(インスリン抵抗性が高い)といった遺伝的な素因が関与していると考えられています。両親や兄弟姉妹に糖尿病の人がいる場合、そうでない人に比べて発症リスクが高くなる傾向があります。

しかし、遺伝的要因があっても、必ず発症するわけではありません。適切な生活習慣を心がけることで、発症を予防したり、発症時期を遅らせたりすることが可能です。

ストレス

精神的なストレスも、血糖コントロールに悪影響を与えることが知られています。ストレスを感じると、血糖値を上げるホルモン(コルチゾールなど)が分泌されたり、自律神経の乱れによってインスリンの働きが悪くなったりすることがあります。

また、ストレスによる過食や飲酒量の増加、運動不足なども、間接的に血糖値を悪化させる要因となります。

その他の要因(加齢、薬剤など)

  • 加齢: 年齢を重ねるにつれて、インスリンの分泌能力が低下したり、インスリン抵抗性が高まったりすることがあります。40歳を過ぎると発症リスクが高まるのはこのためです。
  • 薬剤: ステロイド薬など、一部の薬剤は血糖値を上昇させる副作用を持つものがあります。これらの薬剤を長期にわたって使用している場合は、注意が必要です。
  • 妊娠糖尿病: 妊娠中に血糖値が高くなる妊娠糖尿病を経験した方は、将来的に2型糖尿病を発症するリスクが高くなります。

これらの要因が単独ではなく、複数組み合わさることで、2型糖尿病が発症しやすくなります。

1型糖尿病との違い

糖尿病には主に1型と2型があります。どちらも血糖値が高くなる病気ですが、発症のメカニズムや特徴、治療法などが異なります。ここでは、2型糖尿病と比較して、1型糖尿病の特徴を簡単に説明します。

発症のメカニズムと特徴

  • 1型糖尿病: 膵臓のβ細胞という、インスリンを作る細胞が自己免疫の異常などによって破壊され、インスリンがほとんど分泌されなくなる病気です。インスリンが絶対的に不足するため、血液中のブドウ糖を細胞に取り込めず、血糖値が上昇します。
  • 2型糖尿病: 遺伝的な体質に加えて、生活習慣などが原因で発症します。インスリンの分泌量が不足したり(インスリン分泌不全)、インスリンが十分に働かない(インスリン抵抗性)といった複数の要因が複合的に関与して高血糖になります。インスリンは分泌されているけれども、その量や働きが不十分な状態です。

発症時期や進行の違い

  • 1型糖尿病: 比較的若年者(小児期や思春期)に急激に発症することが多いですが、成人になってから発症するケース(劇症1型糖尿病など)もあります。症状が比較的早く現れ、診断時には血糖値が非常に高くなっていることが多いです。
  • 2型糖尿病: 比較的中高年に発症することが多いですが、近年は食生活や運動習慣の変化により若年化も進んでいます。発症はゆっくりと進行し、初期には自覚症状がないことがほとんどです。何年もかけてじわじわと血糖値が高くなっていくことが多いです。

治療法の違い

  • 1型糖尿病: インスリンがほとんど分泌されないため、生涯にわたってインスリン注射による補充が必須となります。食事療法や運動療法も重要ですが、インスリン治療が根幹となります。
  • 2型糖尿病: まずは食事療法と運動療法による生活習慣の改善が治療の中心となります。これでも血糖コントロールが不十分な場合は、血糖を下げる飲み薬や注射薬(GLP-1受容体作動薬やインスリンなど)による薬物療法が行われます。病状や患者さんの状態に合わせて、様々な治療法が選択されます。
特徴 1型糖尿病 2型糖尿病
発症メカニズム 膵臓のβ細胞破壊によるインスリンの絶対的不足 インスリン分泌不全、インスリン抵抗性
主な原因 自己免疫など 生活習慣、遺伝的要因など
発症時期 若年者(小児・思春期)に多いが成人でも発症 中高年に多いが若年化傾向
進行 急激に進行 ゆっくりと進行
初期症状 比較的早く現れる ほとんど自覚症状がない
治療の主体 インスリン注射が必須 生活習慣改善+薬物療法(経口薬、注射薬、インスリン)

2型糖尿病の合併症

糖尿病が怖いと言われる最大の理由は、様々な合併症を引き起こすことにあります。高血糖状態が長期間続くと、全身の血管や神経が障害され、重篤な合併症を発症するリスクが高まります。糖尿病の合併症は、主に細い血管が障害されるものと、太い血管が障害されるものに分けられます。

特に、糖尿病の3大合併症と呼ばれるものは、細い血管の障害によって引き起こされるものです。

糖尿病腎症

腎臓は、血液をろ過して老廃物を尿として体の外へ排泄する重要な臓器です。高血糖によって腎臓の細い血管(毛細血管が集まった糸球体)が障害されると、このろ過機能が低下します。

初期には自覚症状がほとんどありませんが、進行すると尿にタンパク質が出るようになり、さらに進むとむくみや貧血が現れます。末期になると腎臓の機能がほとんど失われ、人工透析が必要になります。透析導入の原因疾患として、糖尿病腎症は最も多い原因の一つです。

糖尿病網膜症

前述したように、高血糖によって目の網膜の細い血管が傷つく病気です。進行すると、血管が詰まったり、もろくなって出血したり、新しい異常な血管(新生血管)が生えてきたりします。

初期は無症状ですが、進行すると視力低下、かすみ目、飛蚊症などが現れます。新生血管からの出血や網膜剥離などを起こすと、急激に視力が低下し、最終的には失明に至ることもあります。糖尿病網膜症は、成人の失明原因として最も多い病気の一つです。定期的な眼科受診による検査が非常に重要です。

糖尿病神経障害

高血糖によって手足の末梢神経が障害される病気です。前述したような手足のしびれや痛み(特に夜間)、感覚が鈍くなるなどの症状が現れます。

これ以外にも、自律神経が障害されることで、立ちくらみ(起立性低血圧)、胃もたれや便秘・下痢といった消化器症状、排尿困難、勃起不全、発汗異常など、全身に様々な症状が現れることがあります。感覚が鈍くなることで、足の傷や感染に気づきにくくなり、糖尿病足病変のリスクを高めることも重大な問題です。

その他の合併症(心血管疾患、脳血管疾患など)

糖尿病は、心臓や脳といった太い血管にもダメージを与え、動脈硬化を促進させます。これにより、命に関わる重篤な病気を引き起こすリスクが高まります。

  • 心血管疾患: 狭心症や心筋梗塞など。心臓の筋肉に血液を送る冠動脈が詰まったり狭くなったりして起こります。糖尿病患者さんは、胸の痛みといった典型的な症状が現れにくい(無痛性心筋梗塞)こともあり、注意が必要です。
  • 脳血管疾患: 脳梗塞や脳出血など。脳の血管が詰まったり破れたりして起こります。手足の麻痺、ろれつが回らない、意識障害などの症状が現れます。
  • 糖尿病足病変: 神経障害による感覚鈍麻、血行障害、免疫力低下などが合わさることで、足にできた小さな傷や潰瘍が治りにくく、進行して壊疽(組織が腐ること)に至ることがあります。重症化すると、足の一部や全体を切断せざるを得なくなることもあります。
  • 歯周病: 糖尿病患者さんは、歯周病が悪化しやすく、また歯周病が悪化すると血糖コントロールも悪化するという相互に悪影響を与える関係にあります。
  • 感染症: 免疫力が低下するため、肺炎、膀胱炎、皮膚感染症など、様々な感染症にかかりやすく、重症化しやすい傾向があります。

これらの合併症を防ぐためには、診断されたらすぐに治療を開始し、良好な血糖コントロールを継続することが何よりも重要です。

2型糖尿病はいつ気づく?受診の目安

2型糖尿病の発見のきっかけや、どのような場合に医療機関を受診すべきかについて説明します。

健康診断での血糖値・HbA1cの数値

最も一般的な発見のきっかけは、前述の通り健康診断です。健康診断の血液検査では、空腹時血糖値や随時血糖値、そしてHbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)といった項目が測定されます。

  • 空腹時血糖値: 検査前10時間以上飲食せずに測定した血糖値。基準値は100mg/dL未満。126mg/dL以上が糖尿病型とされます。
  • 随時血糖値: 食事時間に関係なく測定した血糖値。100~140mg/dLが正常な範囲とされることが多いですが、明確な基準はありません。ブドウ糖負荷試験などと組み合わせて判断されます。180mg/dL以上であれば糖尿病が強く疑われます。
  • HbA1c: 過去1~2ヶ月間の平均的な血糖値を反映する指標。赤血球の中にあるヘモグロビンにブドウ糖が結合したものの割合を示します。基準値は通常6.0%未満です。6.5%以上が糖尿病型とされます。

健康診断でこれらの数値が基準値を超えている、あるいは「要精密検査」「要医療」といった判定が出た場合は、必ず医療機関を受診して詳しい検査を受ける必要があります。特にHbA1cは、日々の血糖変動に左右されにくいため、糖尿病診断や血糖コントロール状態の把握に非常に重要な指標です。

こんな症状が出たらすぐに受診

健康診断を受けていない方でも、以下のような症状が複数現れた場合は、糖尿病がかなり進行している可能性があります。ためらわずに、すぐに医療機関(内科、糖尿病専門医など)を受診しましょう。

  • 異常な喉の渇きが続き、水分を大量に摂る
  • トイレに行く回数が異常に増え、尿の量も多い
  • 体がだるくて仕方がない、以前より疲れやすい
  • 食事量を減らしていないのに、急に体重が減った
  • 目がかすむ、視力が落ちたと感じる
  • 手足の指先がしびれたり、痛んだりする
  • 足にできた傷がなかなか治らない
  • 全身のかゆみが続く

これらの症状は、高血糖によって体の様々な機能に異常が起き始めているサインです。放置すると、さらに重篤な合併症へとつながるリスクが非常に高まります。

2型糖尿病は改善・治癒する?

2型糖尿病と診断されたとき、「もう治らないのか」と不安になる方も多いでしょう。2型糖尿病の「治癒」という言葉の定義は難しい部分がありますが、適切な治療によって血糖値を正常に近い状態に保ち、合併症の発症・進行を防ぐことは十分に可能です。

早期発見・早期治療の重要性

2型糖尿病は、早期に発見し、適切な治療を開始することが非常に重要です。病気の初期段階であれば、膵臓のインスリン分泌能力も比較的保たれており、インスリン抵抗性も軽度であることが多いです。

この段階で集中的な治療を行うことで、血糖値を正常に戻し、膵臓への負担を軽減することができます。早期に良好な血糖コントロールを達成できれば、将来の合併症リスクを大幅に減らすことが可能です。

生活習慣改善による寛解を目指す

2型糖尿病において、「寛解(かんかい)」という状態を目指すことが一つの目標となります。寛解とは、治療薬を使わなくても、食事療法と運動療法だけで血糖値が正常範囲内に維持されている状態を指します。これは「治癒」とは異なり、体質そのものが変わったわけではないため、油断すると再び血糖値が悪化する可能性がありますが、良好な状態を維持できているという意味では、限りなく「治癒」に近い状態と言えます。

寛解を目指すためには、以下の生活習慣改善が非常に重要です。

  • 食事療法: 適切なエネルギー量、栄養バランスの取れた食事、規則正しい食事時間、ゆっくりよく噛んで食べる、糖分や脂質の過剰摂取を控えるなどが基本となります。具体的な食事内容は、医師や管理栄養士の指導を受けることが望ましいです。
  • 運動療法: 有酸素運動(ウォーキング、ジョギング、水泳など)を中心に、筋力トレーニングなども組み合わせることで、ブドウ糖の利用が促進され、インスリンの効きが良くなります。無理のない範囲で、毎日継続することが大切です。

特に、診断早期に肥満を解消し、生活習慣を徹底的に見直すことで、寛解に至る可能性が高まります。

治癒ではないがコントロールは可能

残念ながら、一度進行してしまった2型糖尿病を完全に「治癒」させることは現在の医学では難しいのが現状です。しかし、これは悲観することではありません。

たとえ薬物療法が必要になったとしても、適切に血糖コントロールを行うことで、健康な人とほとんど変わらない日常生活を送り、糖尿病による合併症の発症や進行を防ぐことは十分に可能です。飲み薬や注射薬、インスリン注射など、様々な治療法を患者さんの状態に合わせて選択し、血糖値を目標範囲内に維持することが重要です。

定期的な通院、医師や医療スタッフとの連携、そしてご自身の病気に対する理解と主体的な取り組み(自己管理)が、良好な血糖コントロールを維持し、健康寿命を延ばすための鍵となります。

まとめ

2型糖尿病の症状に注意し、早期発見を心がけましょう

2型糖尿病は、初期には自覚症状がほとんどないため、知らず知らずのうちに進行してしまう怖い病気です。しかし、喉の渇き、多尿、倦怠感、体重減少、視力低下、手足のしびれなどの症状が現れた場合は、糖尿病がかなり進行しているサインであり、すぐに医療機関を受診する必要があります。

最も有効な早期発見の方法は、定期的な健康診断です。特に40歳を過ぎたら、毎年必ず血糖値やHbA1cの項目をチェックしましょう。過去に数値が高めだった方も、油断せず継続的に検査を受けてください。

不安な症状があれば専門医に相談しましょう

もし、この記事でご紹介した症状に心当たりがある、あるいは健康診断で糖尿病の可能性を指摘された場合は、決して自己判断せず、速やかに医療機関を受診してください。内科や糖尿病専門医に相談し、適切な検査と診断を受けることが、病気の進行を防ぎ、合併症を回避するための第一歩です。

2型糖尿病は、早期に発見し、適切な治療を開始すれば、血糖値を良好にコントロールし、健康な人と変わらない生活を送ることが十分に可能な病気です。生活習慣の見直しは、予防にも治療にも欠かせません。ご自身の体からのサインを見逃さず、積極的に健康管理に取り組みましょう。

【免責事項】
この記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の診断や治療に関するアドバイスを提供するものではありません。ご自身の症状や健康状態に関しては、必ず医師にご相談ください。

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