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1型糖尿病の原因を解説|なぜ発症?自己免疫や遺伝的要因

[2025.06.29]

1型糖尿病は、血糖値をコントロールするために必要なインスリンが、膵臓からほとんど分泌されなくなる病気です。日本の糖尿病患者さんのうち、約5〜10%を占めるといわれており、厚生労働省が定める指定難病の一つでもあります。

かつては「若年性糖尿病」とも呼ばれていましたが、実際には子どもだけでなく成人でも発症する可能性があります。この病気の原因については、研究が進んでおり、少しずつそのメカニズムが明らかになってきています。この記事では、1型糖尿病の主な原因である自己免疫疾患を中心に、遺伝や環境要因との関係、そしてよくある疑問について詳しく解説します。

1型糖尿病とは?2型糖尿病との原因の違い

糖尿病は、血液中のブドウ糖(血糖)の濃度が高い状態が続く病気です。血糖値は、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンによって適切に調整されています。糖尿病はこのインスリンの働きに問題が生じることで起こりますが、その原因によっていくつかのタイプに分けられます。

最も患者数が多いのは2型糖尿病ですが、原因も病態も大きく異なるのが1型糖尿病です。

項目 1型糖尿病 2型糖尿病
主な原因 免疫システムが膵臓のβ細胞を破壊する自己免疫疾患 インスリンの分泌量不足やインスリン抵抗性(効きにくい)
発症の時期 若年者(子どもや思春期)に多いが、成人でも発症 中高年に多いが、若年者でも発症
発症の仕方 比較的急激に発症することが多い 比較的ゆっくりと進行することが多い
膵臓の機能 インスリンをほとんど分泌できない インスリン分泌は残存しているが不足しているか、効きにくい
治療の基本 インスリン注射が必須 食事・運動療法、薬物療法、インスリン療法など
病態 膵臓のβ細胞が破壊され、インスリンが枯渇する インスリン分泌能力の低下と、組織でのインスリンの作用不足

このように、1型糖尿病と2型糖尿病は、どちらも「糖尿病」という名前がつきますが、その原因は全く異なります。1型糖尿病は、主に自己免疫の異常によって引き起こされる病気なのです。

1型糖尿病の主な原因:自己免疫疾患

1型糖尿病の最も主要な原因として、自己免疫疾患が挙げられます。自己免疫疾患とは、本来、外部から侵入したウイルスや細菌などの「異物」を攻撃して体を守るはずの免疫システムが、誤って自分の体の一部を「異物」と認識し、攻撃してしまう病気です。

1型糖尿病の場合、この免疫システムの誤作動によって攻撃される標的は、膵臓の中にある「ランゲルハンス島」という細胞の集まりの中にある、「β細胞」です。β細胞は、血糖値を下げる唯一のホルモンである「インスリン」を作り出し、分泌する役割を担っています。

免疫システムによってβ細胞が破壊されていくと、徐々にインスリンを作る能力が失われていきます。最終的には、インスリンがほとんど、あるいは全く分泌されなくなり、血糖値を適切にコントロールできなくなって高血糖状態が続く、これが1型糖尿病の本質的な病態です。

免疫システムが膵臓のβ細胞を攻撃するメカニズム

免疫システムは非常に複雑ですが、β細胞への攻撃には主にリンパ球と呼ばれる免疫細胞が関与しています。特に重要なのが、T細胞とB細胞です。

  1. T細胞の関与: T細胞の中には、直接標的となる細胞を攻撃するキラーT細胞と呼ばれるものがあります。1型糖尿病では、このキラーT細胞がβ細胞を認識し、破壊に関わっていると考えられています。また、免疫反応を調節するヘルパーT細胞なども、β細胞への攻撃を促進または抑制する形で関与していることがわかっています。
  2. B細胞と自己抗体の産生: B細胞は、特定の分子(抗原)を認識し、それに対する抗体を作り出す細胞です。1型糖尿病患者さんの血液を調べると、膵臓のβ細胞に含まれる様々な成分に対する「自己抗体」が検出されることがよくあります。代表的な自己抗体としては、GAD抗体(グルタミン酸脱炭酸酵素に対する抗体)、IA-2抗体(インスリンoma associated-2抗体)、IAA抗体(インスリン自己抗体、特に小児)、ZnT8抗体(亜鉛トランスポーター8に対する抗体)などがあります。これらの自己抗体は、β細胞が免疫系によって攻撃されているサインと考えられており、病気の発症前や診断時に見られることが多いです。自己抗体自体が直接β細胞を破壊するというよりは、免疫細胞がβ細胞を攻撃するプロセスに関与している、あるいは攻撃の結果として産生されると考えられています。

このように、1型糖尿病は、免疫細胞と自己抗体が複雑に関わり合いながら、膵臓のβ細胞を破壊していくプロセスを経て発症するのです。

なぜ自己免疫反応が起こるのか

本来であれば、自分の体の一部に対して免疫システムが攻撃を仕掛けることはありません。では、なぜ1型糖尿病では、膵臓のβ細胞に対する自己免疫反応が起きてしまうのでしょうか?そのメカニズムは完全に解明されているわけではありませんが、現在は「遺伝的な素因」と「環境的な要因」が複雑に絡み合って、この自己免疫反応が引き起こされると考えられています。つまり、単一の原因ではなく、複数の要因が組み合わさることで発症する「多因子疾患」であると考えられています。

遺伝的に自己免疫疾患を起こしやすい体質を持っている人が、特定の環境要因(例えば特定のウイルスの感染など)に触れることで、免疫システムのバランスが崩れ、β細胞を異物と誤認識して攻撃を開始してしまう、というシナリオが有力視されています。

具体的には、自己免疫疾患の発症リスクに関わる多くの遺伝子が存在し、特にヒト白血球抗原(HLA)と呼ばれる免疫応答に関連する遺伝子の特定のタイプ(HLAクラスII遺伝子、特にDR3-DQ2やDR4-DQ8など)を持っていると、1型糖尿病を発症しやすいことがわかっています。これらの遺伝子は、免疫細胞が異物や自分の細胞の一部を認識する際の「目印」のような役割を担っており、特定のHLAタイプを持つことで、β細胞の成分を異物として認識しやすくなると考えられています。

しかし、これらの遺伝子を持っていても必ず1型糖尿病を発症するわけではありません。多くの人はこれらの遺伝子を持ちながら健康に過ごしています。このことから、遺伝的素因を持つ人が、さらに特定の環境要因に暴露されることが、病気の発症に不可欠であると考えられているのです。

1型糖尿病の原因となるその他の要因

1型糖尿病の主要な原因が自己免疫であることは間違いありませんが、その自己免疫を引き起こすきっかけとして、遺伝的素因や環境要因が関与していると考えられています。これらの要因は単独ではなく、互いに影響し合いながら病気の発症に関与していると考えられています。

遺伝的な要因とその関与

1型糖尿病は「遺伝病」のように親から子へ必ず遺伝する病気ではありません。しかし、発症には遺伝的な「かかりやすさ」、すなわち「遺伝的素因」が関与していることが多くの研究から明らかになっています。

最も強く関連しているのは、前述したヒト白血球抗原(HLA)に関する遺伝子です。特にHLAクラスII領域の特定の遺伝子型(例: DR3-DQ2, DR4-DQ8など)を持つ人は、1型糖尿病を発症するリスクが一般集団と比べて高いことがわかっています。これらのHLA遺伝子は、免疫細胞が抗原(体内の成分や病原体の一部など)を認識する際に重要な役割を果たしており、特定のHLA型を持つことで、β細胞の成分を自己抗原として認識しやすくなる、あるいは免疫応答が過剰になりやすくなると考えられています。

HLA遺伝子以外にも、1型糖尿病の発症リスクに関わる遺伝子が多数発見されています。例えば、インスリン遺伝子、PTPN22遺伝子、CTLA4遺伝子などが挙げられます。これらの遺伝子は、インスリンの産生や免疫系の調節に関与していると考えられています。しかし、これらの遺伝子単独で病気を引き起こすわけではありません。多くのリスク関連遺伝子を持っていても発症しない人がいることから、これらの遺伝的素因を持つ人が、さらに特定の環境要因にさらされることで、病気の発症が「トリガー」されると考えられています。

家族内に1型糖尿病の人がいる場合、そうでない場合と比較して発症リスクは高まりますが、それでもそのリスクは数%程度であり、多くの場合は遺伝しません。このことからも、遺伝的素因だけでは発症せず、他の要因との組み合わせが重要であることがわかります。

環境的な要因(ウイルス感染など)

遺伝的な素因を持つ人が1型糖尿病を発症するきっかけとなる「環境要因」についても、様々な研究が行われています。最も有力視されている環境要因の一つが、特定のウイルス感染です。

ウイルス感染: これまでの研究で、コクサッキーウイルスB群、エンテロウイルス、サイトメガロウイルス、おたふくかぜウイルスなどが1型糖尿病の発症に関連している可能性が指摘されています。これらのウイルスが膵臓に感染し、β細胞を直接傷つけたり、あるいはウイルスの成分とβ細胞の成分が似ているために免疫系が誤ってβ細胞を攻撃する(分子擬態説)などの機序が考えられています。特に、幼少期の特定の時期にこれらのウイルスに感染することが、自己免疫反応を惹起するきっかけになるのではないかと考えられています。

食事関連要因: 過去には、離乳食の開始時期や内容(特に牛乳に含まれる特定のタンパク質、例えばβ-カゼインなど)が1型糖尿病の発症リスクに関連するのではないかという仮説が提唱され、多くの研究が行われました。しかし、これらの食事要因と1型糖尿病発症との間に明確な因果関係はまだ確立されていません。特定の食品が直接的な原因となるという結論には至っておらず、食事が原因で1型糖尿病になる、と断言することはできません。

その他の環境要因: 上記以外にも、腸内細菌叢の変化、早期の抗生物質使用、大気汚染、ビタミンD欠乏なども1型糖尿病の発症に関与する可能性のある環境要因として研究されています。しかし、これらの要因についても、その関与の程度やメカニズムはまだ十分に解明されていません。

環境要因は単独で作用するのではなく、遺伝的素因を持つ個人において、免疫応答を調節するシステムに影響を与え、自己免疫反応を活性化させると考えられています。

幼少期の発症と成人期の発症

1型糖尿病は、一般的に子どもや思春期に多く発症するイメージがありますが、成人期に発症するケースも少なくありません。成人期に発症する1型糖尿病は、幼少期発症型と比べて進行が緩やかな場合と、非常に急激な場合があります。

  • 幼少期発症型: 膵臓のβ細胞が比較的速やかに破壊され、診断時にはすでにインスリン分泌能が著しく低下していることが多いです。症状も急激に現れる傾向があります。
  • 成人期発症型:
    • 緩徐進行1型糖尿病(SPIDDM; Slowly Progressive Insulin-Dependent Diabetes Mellitus): 成人に多く見られるタイプで、自己抗体が陽性でありながら、インスリン分泌能の低下が比較的ゆっくりと進行します。診断時には2型糖尿病と誤診されることもありますが、数年から10年以上かけてインスリン依存状態になります。自己免疫によるβ細胞破壊が緩やかに進む病態です。
    • 劇症1型糖尿病: 年齢に関わらず発症し、非常に急激に膵臓のβ細胞が破壊され、診断時にはほとんどインスリンが分泌されていません。発症からわずか数日から2週間程度で重篤な高血糖やケトアシドーシス(血糖値が非常に高くなり、体が酸性に傾く状態)に至ることが特徴です。自己抗体が検出されないケースが多いですが、ウイルス感染との関連が示唆されています。

このように、1型糖尿病と一口に言っても、発症時期や進行スピードによっていくつかのタイプがあり、それぞれのタイプで自己免疫の関与の仕方や他の要因との関連が異なる場合があると考えられています。しかし、いずれのタイプも、インスリンを分泌するβ細胞の機能が著しく障害されることが本質です。

1型糖尿病は遺伝するのか?

「1型糖尿病は遺伝する病気ですか?」という疑問は、患者さんやそのご家族からよく聞かれます。結論から言うと、1型糖尿病は、特定の遺伝子が単独で原因となり、親から子へメンデルの法則のように必ず遺伝する「遺伝病」ではありません。

しかし、前述のように、1型糖尿病の発症には「遺伝的な素因」が関与していることがわかっています。これは、特定の遺伝子のタイプを持っていると、1型糖尿病を発症するリスクが少し高くなるということです。最も強く関連するのはHLA遺伝子ですが、他にも複数の遺伝子が関与していると考えられています。

具体的にどれくらい遺伝的な影響があるかというと、以下のようなデータがあります(あくまで目安であり、研究によって数値は異なります)。

家族歴 発症リスク(一般集団を1とした場合)
一般集団 1
親のどちらか一方が1型糖尿病 約5〜10倍
両親ともに1型糖尿病 約10〜20倍
兄弟姉妹に1型糖尿病 約10〜15倍
一卵性双生児 約30〜50%の発症一致率

この表からわかるように、親や兄弟姉妹に1型糖尿病の人がいる場合、一般集団よりも発症リスクは高まります。特に一卵性双生児の場合、遺伝子が全く同じであるにも関わらず、片方が発症してももう片方が発症する確率は100%ではありません。これは、遺伝的な素因だけでは発症せず、環境要因など他の要素が組み合わさることが不可欠であることを強く示唆しています。

したがって、「遺伝する」という言葉の一般的な意味合い(必ず親から子へ伝わる)とは異なり、1型糖尿病は「遺伝的な体質がかかりやすさに関わる」病気であると理解するのが適切です。家族に1型糖尿病の人がいる場合でも、過度に心配する必要はありませんが、発症リスクがあることは認識しておくと良いでしょう。

1型糖尿病は食事が原因か?

「1型糖尿病は食事が原因でなるのですか?」という質問もよく寄せられます。特に2型糖尿病が生活習慣病の側面が強いことから、「糖尿病=食べ過ぎが原因」というイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、1型糖尿病に関しては、食事が直接の原因となって発症する病気ではありません。

前述の通り、1型糖尿病の主な原因は、免疫システムが膵臓のβ細胞を誤って攻撃してしまう自己免疫疾患です。この自己免疫反応がなぜ起きるのかというメカニズムの中に、特定の食事要因(牛乳蛋白など)が関与している可能性が過去に研究されました。しかし、現時点ではこれらの食事要因と1型糖尿病発症との間に明確な因果関係は証明されておらず、決定的な結論は出ていません。

むしろ、食事や生活習慣が原因で発症するのは、ほとんどが2型糖尿病です。2型糖尿病は、過食や運動不足、肥満といった生活習慣の乱れが長年続くことによって、インスリンの効きが悪くなったり(インスリン抵抗性)、インスリンの分泌能力が低下したりして起こります。

これに対し、1型糖尿病は、たとえ健康的で規則正しい食生活を送っていても、自己免疫によってβ細胞が破壊されれば発症する可能性があります。もちろん、1型糖尿病と診断された後は、血糖値を適切にコントロールするために、食事療法が非常に重要になります。食事の内容やタイミングは血糖値に大きく影響するため、患者さんは食事療法を学ぶ必要があります。しかし、これは病気の「原因」ではなく、病気になった後の「治療」の一環です。

したがって、1型糖尿病の患者さんやそのご家族は、「食事が悪かったから発症した」とご自身を責める必要は全くありません。病気の原因は自己免疫の異常という、本人の意志や努力ではどうすることもできない部分にあることを理解することが重要です。

1型糖尿病の原因解明に向けた最新の研究

1型糖尿病の原因については、自己免疫疾患、遺伝、環境要因の複合的な関与が示唆されていますが、その詳細なメカニズムや、なぜ特定の個人で発症するのかなど、まだ解明されていない部分が多く残されています。世界中の研究者が、この難病の原因を明らかにし、ひいては予防法や根治療法の開発を目指して、日々研究を進めています。

現在注目されている主な研究テーマとしては、以下のようなものがあります。

  1. 自己免疫反応の詳細な解析: どのような免疫細胞が、どのようなきっかけでβ細胞を攻撃するようになるのか、その分子レベルでのメカニズムを詳細に解析する研究が進んでいます。特定のT細胞の役割や、自己抗体の意義についてより深く理解することで、免疫応答をコントロールする新しい治療法(免疫寛容療法など)の開発につながると期待されています。
  2. 遺伝要因と環境要因の相互作用: ゲノム解析技術の進歩により、1型糖尿病に関わる多くの遺伝子が同定されています。これらの遺伝子が、特定の環境要因(ウイルス感染、腸内細菌叢など)とどのように相互作用して、自己免疫反応を惹起するのかを明らかにする研究が行われています。
  3. 環境要因の特定と影響の評価: どの環境要因が、いつ、どのように自己免疫反応の引き金となるのかを特定する研究も重要です。特にウイルス感染については、その関連性をより明確にするための大規模な疫学研究や、感染が免疫系に与える影響を調べる研究が進められています。腸内細菌叢(マイクロバイオーム)の組成の変化と1型糖尿病発症との関連性も注目されており、プロバイオティクスやプレバイオティクスによる介入の可能性も探られています。
  4. 早期診断マーカーと発症予測: 病気が発症する前の段階(糖尿病予備群)で、発症リスクの高い個人を特定するためのマーカー(自己抗体価の推移、血糖値の変動パターンなど)を見つける研究が進められています。発症を予測できるようになれば、早期介入によって発症を遅らせたり、予防したりできる可能性があります。
  5. 免疫寛容療法の開発: 異常な自己免疫反応を抑え、膵臓のβ細胞への攻撃を停止させる「免疫寛容療法」の開発は、根治療法につながる重要な研究分野です。特定の免疫細胞をターゲットとする治療法や、β細胞を保護・再生させる治療法の開発が進められています。

これらの最新研究によって、1型糖尿病の発症メカニズムがさらに明らかになり、将来的に病気を予防したり、発症後もインスリン治療なしで過ごせるような画期的な治療法が生まれることが期待されています。

1型糖尿病の原因に関するよくある疑問

ここでは、1型糖尿病の原因についてよくある疑問に答えていきます。

Q1: 1型糖尿病と2型糖尿病は全く違う病気ですか?

A1: はい、原因や病態は全く異なります。1型糖尿病は、自己免疫によって膵臓のβ細胞が破壊され、インスリンがほとんど分泌されなくなる病気です。一方、2型糖尿病は、遺伝的な体質に加えて、過食や運動不足などの生活習慣が原因で、インスリンの分泌が不足したり、インスリンが効きにくくなったりする病気です。治療法も異なり、1型糖尿病ではインスリン注射が必須であるのに対し、2型糖尿病では食事・運動療法や飲み薬が治療の中心となり、必要に応じてインスリン注射が使われます。

Q2: ストレスは1型糖尿病の原因になりますか?

A2: ストレスが1型糖尿病を直接引き起こすという明確な科学的根拠はありません。しかし、強いストレスが免疫システムに影響を与えたり、血糖値のコントロールを乱したりする可能性は考えられます。特に、自己免疫疾患の発症には、様々な要因が複雑に絡み合っているため、ストレスが間接的に影響している可能性は否定できません。しかし、ストレスだけが原因で1型糖尿病になるわけではありません。

Q3: 1型糖尿病を予防する方法はありますか?

A3: 残念ながら、現在のところ、1型糖尿病を確実に予防する方法は確立されていません。病気の原因である自己免疫反応を完全に止める、あるいは回避する方法が見つかっていないためです。しかし、前述のように原因解明に向けた研究は進んでおり、将来的に発症リスクの高い人に対する介入や、病気の進行を抑える予防法が開発されることが期待されます。発症後の合併症を予防するためには、適切なインスリン治療と血糖コントロールが非常に重要です。

Q4: 子どもが1型糖尿病と診断されました。親の生活習慣や育て方が悪かったせいですか?

A4: いいえ、決して親の生活習慣や育て方が原因ではありません。1型糖尿病は、自己免疫の異常によって膵臓のβ細胞が破壊されて起こる病気であり、これは本人の意志や親の努力によって防げるものではありません。遺伝的な体質は関与しますが、それだけで発症するわけではなく、多くの場合は予測不可能です。ご自身を責める必要は全くありません。診断されたら、適切に病気と向き合い、医療チームと連携して治療を進めることが最も大切です。

Q5: 他の自己免疫疾患を患っていると、1型糖尿病になりやすいですか?

A5: はい、他の自己免疫疾患(例えば、橋本病などの甲状腺疾患、セリアック病、アジソン病、悪性貧血など)を患っている人は、そうでない人に比べて1型糖尿病を発症するリスクがやや高いことが知られています。これは、自己免疫疾患を起こしやすい遺伝的な素因を共有していることや、免疫システムの異常が複数の臓器に影響を及ぼす可能性があるためと考えられています。もし他の自己免疫疾患をお持ちで、糖尿病の症状(のどの渇き、頻尿、体重減少など)がある場合は、早めに医療機関に相談することをおすすめします。

【まとめ】1型糖尿病の原因を知り、病気と向き合う

1型糖尿病は、インスリンを作る膵臓のβ細胞が、自己免疫の異常によって破壊されることで発症する病気です。その原因は一つではなく、遺伝的なかかりやすさ(素因)と、特定の環境要因(特にウイルス感染など)が複雑に組み合わさることで、免疫システムが誤作動を起こし、β細胞を攻撃してしまうと考えられています。

食事や生活習慣が直接の原因となる2型糖尿病とは異なり、1型糖尿病は本人の努力や注意によって予防できるものではありません。診断を受けた患者さんやそのご家族が、「なぜ自分(の子ども)がこの病気になったのか」と悩むことは少なくありませんが、それは誰かのせいではないことを理解することが、病気を受け入れ、前向きに治療に取り組むための第一歩となります。

1型糖尿病の原因については、まだ完全に解明されているわけではありませんが、研究は日々進んでいます。将来的に、病気の発症メカニズムがさらに明らかになり、予防法や根治療法が開発されることが期待されています。

この病気と向き合う上で最も重要なのは、正確な情報に基づき、医療チーム(医師、看護師、管理栄養士、薬剤師など)と連携しながら、適切なインスリン治療と血糖コントロールを継続していくことです。原因を知ることは、病気を理解し、適切に対処するための助けとなるでしょう。


免責事項: 本記事は、1型糖尿病の原因に関する一般的な情報を提供することを目的としています。個々の病状や治療法については、必ず専門の医療機関にご相談ください。本記事の情報のみに基づいて自己判断で行動することはお控えください。

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