ストレス診断書はどこでもらえる？費用・期間・オンライン対応まで解説

ストレスによる体調不良で仕事に行くのがつらい、思うように日常生活が送れない…そんな時、診断書が必要になることがあります。診断書は、あなたの状態を医師が医学的に証明する大切な書類です。

この記事では、ストレスによる診断書が必要となる具体的なケースから、診断書のもらい方、受診先、費用、記載内容、注意点まで、あなたが知りたい情報を網羅して解説します。精神科や心療内科での受診、オンライン診療での取得についても触れますので、ぜひ最後まで読んで、体調回復への一歩を踏み出す参考にしてください。

ストレスで診断書が必要になるケース

ストレスが原因で心身のバランスを崩し、通常の生活や仕事が困難になった場合、様々な場面で診断書の提出を求められることがあります。診断書は、単に病名を証明するだけでなく、療養が必要であること、または特定の配慮が必要であることを客観的に示す重要な書類です。

休職・欠勤のため

最も一般的なケースの一つが、心身の不調により一時的に仕事を休む必要がある場合です。医師に診断書を作成してもらうことで、会社に病状と必要な療養期間を正式に伝え、休職や長期の欠勤の手続きを進めることができます。厚生労働省のこころの耳でも職場環境改善と休職に関する情報が提供されています。

• 診断書が必要な理由:
• 病状が深刻で、業務の継続が困難であることの証明。
• 会社規定に基づく休職制度の利用申請。
• 給与保証や福利厚生に関する手続き（会社による）。
• 職場への配慮事項（例：時短勤務、部署異動など）の提案。

診断書には、病名（例：適応障害、うつ病、不安障害など）、具体的な症状、治療方針、そして最も重要な「〇〇週間（または〇〇ヶ月）の休養を要する」といった必要な療養期間が記載されます。この記載に基づき、会社は休職期間を決定したり、業務内容の調整を検討したりします。

ポイント: 会社によっては、数日間の欠勤でも診断書の提出を求める場合があります。事前に会社の規定を確認しておきましょう。労働基準法に関する情報も参考になります。

退職・転職のため

ストレスが原因で現在の職場環境に適応できず、退職や転職を選択せざるを得ない場合にも、診断書が役立つことがあります。

• 診断書が役立つ場面:
• 円満退職の交渉: ストレスによる体調不良が原因であることを会社に理解してもらい、スムーズな退職手続きを進めるために提出する場合があります。自己都合退職ではなく、「健康上の理由による退職」として扱われることで、失業給付金の受給条件などが有利になる可能性があります（ハローワークでの手続き時に診断書の提出を求められることがあります）。
• 転職活動: 次の職場に健康状態を説明する際、診断書（または病状が回復したことを示す診断書）が説得力を持つことがあります。ただし、病歴を伝える義務はないため、提出するかどうかは慎重に判断が必要です。
• 傷病手当金受給後の退職: 傷病手当金を受給中に退職した場合、一定の条件を満たせば退職後も引き続き傷病手当金を受給できる場合があります。この際にも診断書が必要となります。

診断書があることで、退職理由の正当性が高まり、その後の手続きや活動を有利に進められるケースがあります。

傷病手当金申請のため

健康保険に加入している会社員や公務員などが、病気や怪我で仕事を休み、十分な給与が得られない場合に支給されるのが「傷病手当金」です。ストレスによる体調不良も支給対象となることが多く、その申請には医師の診断書（またはそれに準ずる証明）が必須となります。全国健康保険協会（協会けんぽ）のサイトでも詳しく解説されています。

• 傷病手当金申請に必要な情報:
• 被保険者情報
• 事業主の証明（休んだ期間、給与支払い状況など）
• 医師の証明（病名、症状、労務不能と認められる期間、診断年月日など）

傷病手当金は、療養のために仕事に就くことができない期間に対して支給されます。診断書に記載された「労務不能と認められる期間」が支給期間の判断に大きく影響します。申請書は、通常、加入している健康保険組合または協会けんぽのウェブサイトからダウンロードできます。必要事項を記入し、医師の証明欄に記入を依頼します。詳細は日本年金機構の健康保険給付の説明にも記載があります。

注意点:

• 自営業やフリーランスの方などが加入する国民健康保険には、原則として傷病手当金の制度はありません。
• 扶養に入っている家族も原則対象外です。
• 支給には連続3日間の待期期間が必要です。
• 支給期間には上限があります（原則として支給開始日から最長1年6ヶ月）。

診断書は、これらの手続きを進める上で、あなたの現在の健康状態とそれに基づく医学的な判断を証明する公的な書類となります。

ストレスの診断書はどこでもらえる？何科？

ストレスによる体調不良で診断書が必要になったとき、「どこの病院に行けばいいの？」「何科を受診すればいいの？」と迷う方は少なくありません。ストレスが原因であっても、症状の出方によって適切な受診先が異なります。

精神科・心療内科の受診

ストレスによる心理的な症状（気分が落ち込む、不安が強い、眠れない、集中できないなど）や、心理的な要因が身体症状に強く影響している場合（例：ストレス胃炎、過敏性腸症候群、パニック発作など）、精神科または心療内科を受診するのが最も適切です。

• 精神科: 主に心の病気（うつ病、双極性障害、統合失調症、不安障害など）を専門とする科です。気分の落ち込み、強い不安、幻覚や妄想など、思考や感情、行動の障害を治療します。
• 心療内科: 主に心身症（心理的なストレスが原因となって身体に症状が現れる病気）を専門とする科です。胃潰瘍、高血圧、喘息、円形脱毛症など、身体の病気でありながら心理的な要因が深く関わっている状態を治療します。

どちらを受診すべきか迷う場合は、まずは「心療内科」を標榜しているクリニックを探してみるのが良いでしょう。多くの心療内科では、精神的な症状についても相談を受け付けています。

精神科・心療内科を受診するメリット:

• ストレスに起因する症状の専門家であり、適切な診断と治療を受けられる。
• 診断書作成に慣れている医師が多く、スムーズに依頼しやすい。
• 症状に応じた専門的なアドバイスやカウンセリングを受けられる場合がある。

初めての受診は勇気がいるかもしれませんが、専門家のサポートを受けることが回復への第一歩となります。厚生労働省のこころの耳でも受診の際のポイントが紹介されています。

一般内科等での相談

ストレスによる身体症状が中心で、それが特定の病気として現れている場合（例：ストレスによる頭痛、肩こり、胃痛、下痢、めまいなど）、まずはかかりつけの一般内科を受診するという選択肢もあります。日本産業精神保健学会でも、ストレスと様々な身体症状の関連について情報提供がされています。

• 一般内科で相談するケース:
• 心療内科や精神科に抵抗がある場合。
• まずは身体的な症状の原因を調べたい場合。
• 既に信頼できるかかりつけ医がいる場合。

一般内科の医師は、全身の症状を診ることができます。ストレスが原因である可能性を含め、様々な観点から診察を行い、必要に応じて専門医（心療内科医や消化器内科医など）を紹介してもらえることがあります。