血糖値が高い時の初期症状|見逃すと怖い体からのサイン
血糖値 高い 症状とは?見逃せないサインと原因
健康診断で血糖値が高いと指摘された、あるいは最近体の調子がおかしいと感じている方へ。血糖値が高い状態(高血糖)は、自覚症状がないまま進行することが少なくありません。
しかし、放置すると全身に様々な影響を及ぼし、やがて重大な病気(合併症)を引き起こす可能性があります。
この記事では、血糖値が高い場合に現れる可能性のある様々な症状について、初期のサインから見逃せない危険な症状まで詳しく解説します。
また、高血糖の原因や、もし血糖値が高いと指摘された場合に取るべき行動についてもご紹介します。
ご自身の体の状態を把握し、早期の対策に役立ててください。
血糖値が高い状態が招く主な症状
血糖値が高い状態が続くと、体は様々なサインを発します。しかし、そのサインは必ずしも分かりやすいものではありません。
まずは、どのような症状が現れる可能性があるのかを知っておくことが重要です。
初期段階では自覚しにくい高血糖の症状
血糖値が基準値よりもやや高い、いわゆる「境界型」や糖尿病の初期段階では、ほとんどの場合、自覚症状がありません。
これは、体が一時的に高くなった血糖値を何とか調整しようと働くためです。
例えば、健康診断で空腹時血糖値が少し高かったり、HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)という過去1~2ヶ月の血糖値の平均を示す数値が基準値をわずかに超えている場合でも、「特に何も体の不調はない」と感じる方がほとんどです。
しかし、この「無症状」の期間こそが非常に重要です。
自覚症状がないため見過ごされがちですが、この段階からすでに血管への負担は始まっている可能性があります。
沈黙の臓器と言われる膵臓の機能も、徐々に低下しているかもしれません。
そのため、「症状がないから大丈夫」と油断せず、健康診断などで血糖値が高いと指摘された場合は、たとえ軽度であってもそのサインを見逃さず、生活習慣の見直しや定期的な検査を始めることが大切です。
早期に介入することで、糖尿病への進行を遅らせたり、合併症の発症を予防したりすることが可能になります。
血糖値が著しく高い場合に現れる代表的な症状
血糖値がさらに高くなり、コントロールが難しくなると、体は明確な警告サインを発するようになります。
これらの症状が現れた場合は、血糖値がかなり高くなっているサインと考えられ、速やかに医療機関を受診する必要があります。
口の渇き(口渇)・水分を多く摂る(多飲)
高血糖状態が続くと、血液中の糖濃度が高まります。
体はこの過剰な糖を薄めようとして、細胞から水分が血管内に引き出されます。
その結果、脱水状態となり、強い口の渇きを感じるようになります。
喉がカラカラになり、いくら飲んでも渇きが癒えない、という状態になることもあります。
この強い口渇感を解消するために、自然と水分をたくさん摂るようになります(多飲)。
特に、ジュースや清涼飲料水など糖分を多く含む飲み物を好んで飲むようになる方もいますが、これはさらに血糖値を上げてしまう悪循環に陥りやすいため注意が必要です。
常に手元に飲み物がないと落ち着かない、夜中に何度も目が覚めて水を飲む、といった症状は、高血糖の重要なサインの一つです。
尿の回数が増える(頻尿)・尿の量が多い(多尿)
血液中の糖濃度が非常に高くなると、腎臓は余分な糖を尿として体外に排出しようとします。
この際、糖は大量の水分を引き連れて排泄されるため、尿の量が増えます(多尿)。
尿の量が増えると、当然、トイレに行く回数も増えます(頻尿)。
昼間だけでなく、夜中に何度もトイレに起きるようになる(夜間頻尿)ことも特徴です。
一回の尿量が通常の倍以上になることもあり、気付かないうちにかなりの水分が体から失われている状態になります。
多尿によって体から水分が失われることが、前述の口渇感や多飲につながります。
この「口渇・多飲・多尿」は、高血糖の代表的な三つの症状として知られており、これらの症状が複数現れている場合は、医療機関での詳しい検査が必要です。
体重が減る(体重減少)
糖尿病というと「太っている人がなる病気」というイメージがあるかもしれませんが、血糖値が著しく高い状態では、むしろ体重が減ることがあります。
これは、本来エネルギー源として利用されるはずのブドウ糖を、インスリンがうまく細胞に取り込めないために、体が必要なエネルギーを脂肪や筋肉を分解して作り出そうとするためです。
また、尿と一緒に大量のブドウ糖が排泄されるため、エネルギーが失われることも体重減少の原因となります。
特に、食事量は変わらない、あるいは増えているにも関わらず、急に数キログラム体重が減ったという場合は注意が必要です。
これは、体がエネルギー不足に陥っているサインであり、糖尿病が進行している可能性を示唆しています。
ただし、ダイエットをしているわけではないのに体重が減る場合は、糖尿病以外の病気の可能性も考えられるため、いずれにしても医療機関を受診することが重要です。
体がだるい・疲れやすい(倦怠感)
細胞がブドウ糖をエネルギーとして利用できないため、体全体がエネルギー不足の状態になります。
このエネルギー不足が、強い疲労感や全身のだるさ(倦怠感)として現れます。
十分な睡眠をとっても疲れが取れない、ちょっとしたことで体がだるくなる、といった症状が続く場合は、高血糖が原因かもしれません。
筋肉の分解が進むことも、筋力低下やそれに伴うだるさの原因となります。
また、高血糖によって血液の流れが悪くなったり、脱水状態になったりすることも、全身のだるさに関係します。
これは、体がSOSを発しているサインであり、休息だけでは改善しない場合は、血糖値の確認を検討すべき症状です。
空腹感が強い・集中力の低下
細胞がエネルギー源であるブドウ糖をうまく利用できないため、脳が「エネルギーが足りない」と判断し、強い空腹感を感じさせることがあります。
たくさん食べた後でもすぐにまたお腹が空く、あるいは異常に甘いものが欲しくなるといった症状が出ることがあります。
また、脳細胞もブドウ糖を主要なエネルギー源としています。
血糖値が極端に高い、あるいは血糖値の変動が大きい場合、脳へのエネルギー供給が不安定になり、集中力の低下、注意力の散漫、眠気、イライラといった症状が現れることがあります。
特に食後に強い眠気を感じたり、午後に集中力が続かなくなったりする場合は、食後高血糖(血糖値スパイク)が起きている可能性も考えられます。
皮膚のかゆみ・乾燥
高血糖は皮膚にも影響を及ぼします。
尿量が増えることによる脱水や、高血糖による血行不良、免疫力の低下などが原因となり、皮膚が乾燥しやすくなり、全身に強いかゆみを感じることがあります。
特に手足や背中、お腹などがかゆくなることが多いとされています。
また、高血糖は神経障害の原因ともなり、神経が刺激されてかゆみを感じやすくなる場合もあります。
かゆみのために掻きむしってしまい、湿疹や傷ができてしまうことも少なくありません。
保湿ケアをしても改善しない頑固なかゆみは、高血糖のサインとして見逃せません。
手足のしびれや痛み
高血糖が長く続くと、体の末梢神経が傷つきやすくなります。
これを糖尿病性神経障害と呼びます。
神経障害の初期症状として、手足の先、特に足の裏やつま先などに、しびれやピリピリとした痛み、感覚の鈍さなどが現れることがあります。
症状は通常、左右対称に現れ、靴下や手袋を履いているような感覚と表現されることもあります。
夜間や安静時に症状が強くなる傾向があります。
神経障害が進行すると、感覚が完全に麻痺してしまうこともあり、そうなると熱さや痛みに気づきにくくなり、足の傷が悪化するリスクが高まります。
手足のしびれや痛みは、高血糖が長期間続いており、合併症が始まっている可能性を示すサインです。
傷が治りにくい・感染しやすい
高血糖状態では、免疫機能が低下し、感染症にかかりやすくなります。
また、血行不良や神経障害の影響で、一度できた傷が治りにくくなります。
特に足にできた小さな傷や、虫刺されなどが悪化しやすく、化膿してしまうこともあります。
傷の治りが遅い、軽い感染症でも重症化しやすいといった傾向が見られる場合は、血糖コントロールが悪化しているサインかもしれません。
特に足の傷は、神経障害による感覚麻痺と血行不良が重なると、気づかないうちに悪化してしまい、最悪の場合、壊疽(えそ)に至り、切断が必要となるケースもあります。
傷や感染症の傾向も、高血糖の重要なサインの一つです。
食後の血糖値急上昇と症状
空腹時の血糖値は正常でも、食後に血糖値が急激に上昇し、その後急降下する現象を「血糖値スパイク」と呼びます。
特に糖質の多い食事を摂った後に起こりやすいとされています。
血糖値スパイクは、健康診断の空腹時血糖値やHbA1cだけでは見過ごされることがあり、隠れ高血糖とも言われます。
食後高血糖が起きている場合、以下のような症状が現れることがあります。
- 食後数時間以内に強い眠気を感じる
- 食後、異常に疲労感を感じる
- 食後に集中力が低下する
- 食後数時間すると、耐えられないほどの空腹感を感じる(低血糖のような症状)
- 頭痛やめまいを感じる
これらの症状は、血糖値が急激に変動することによって体が受けるストレスが原因と考えられています。
血糖値スパイクは、血管の内壁にダメージを与え、動脈硬化を進行させるリスクがあるため、これらの症状に心当たりがある場合は、食後の血糖値を測定するなどの対策を検討する必要があります。
血糖値が高い原因
血糖値が高くなる背景には、様々な要因が複雑に絡み合っています。
主な原因は生活習慣に関連するものですが、それ以外の要因も無視できません。
高血糖を招く主な生活習慣
私たちの毎日の生活習慣は、血糖値に大きな影響を与えます。
特に以下のような習慣は、高血糖のリスクを高めることが知られています。
- 偏った食事: 糖質の多い食事(ごはん、パン、麺類、スイーツなど)、高カロリーな食事、脂っこい食事などを過剰に摂取すると、食後の血糖値が急激に上昇しやすくなります。
また、不規則な食事時間や欠食、早食いなども血糖コントロールを乱す要因となります。
野菜不足や食物繊維の摂取量不足も、糖の吸収を緩やかにする効果が得られず、血糖値の上昇を招きやすくなります。 - 運動不足: 運動は、筋肉が血液中のブドウ糖を取り込み、エネルギーとして利用するのを助けます。
運動不足になると、ブドウ糖の利用効率が悪くなり、血糖値が高いままになりやすくなります。
特に、座りっぱなしの時間が長い人は、活動量が少ないため、血糖値が上がりやすい傾向があります。 - ストレス: 慢性的なストレスは、血糖値を上げるホルモン(コルチゾールなど)の分泌を促し、血糖値を上昇させることがあります。
また、ストレスによって食欲が増進したり、睡眠不足になったりすることも、間接的に血糖コントロールを悪化させます。 - 睡眠不足: 睡眠不足や不規則な睡眠リズムは、インスリンの働きを妨げたり、食欲を調整するホルモンバランスを崩したりして、血糖値を上昇させることがあります。
質の悪い睡眠は、高血糖のリスクを高めることが研究で示されています。 - 喫煙: 喫煙は血管を収縮させ、血行を悪くするだけでなく、インスリンの働きを妨げることが知られています。
喫煙者は非喫煙者に比べて糖尿病の発症リスクが高く、また合併症も進行しやすい傾向があります。 - 過度な飲酒: アルコール自体は血糖値を一時的に下げることもありますが、糖分やカロリーの高いおつまみを一緒に摂取することが多いため、結果的に血糖値を上げる要因となります。
また、アルコールは膵臓に負担をかけたり、インスリンの分泌や働きに影響を与えたりすることがあります。
これらの生活習慣が複数重なることで、高血糖、さらには糖尿病の発症リスクはさらに高まります。
その他の要因(遺伝、病気など)
生活習慣だけでなく、以下のような要因も高血糖の原因となります。
- 遺伝的素因: 糖尿病、特に2型糖尿病は、遺伝的な体質が関わることが多いとされています。
両親や兄弟姉妹に糖尿病の方がいる場合、そうでない場合に比べて発症リスクが高まります。
ただし、遺伝だけが原因ではなく、遺伝的な体質に加えて生活習慣が影響して発症する場合がほとんどです。 - 加齢: 年齢を重ねるとともに、インスリンの分泌能力が低下したり、インスリンの効きが悪くなったりすることがあります。
そのため、加齢も高血糖のリスク要因の一つです。 - 肥満、特に内臓脂肪型肥満: 体重が増えすぎると、インスリンが細胞に糖を取り込ませる働き(インスリン感受性)が悪くなります。
特に、お腹周りの内臓脂肪が増えると、インスリン抵抗性(インスリンが効きにくい状態)が高まり、高血糖を招きやすくなります。 - 薬剤: ステロイド薬など、一部の薬剤は副作用として血糖値を上昇させることがあります。
特定の薬剤を服用している場合は、医師に相談することが重要です。 - その他の病気: 膵臓の病気(膵炎、膵臓がんなど)によってインスリンを分泌する細胞が破壊されたり、内分泌疾患(クッシング症候群、先端巨大症など)によって血糖値を上げるホルモンが過剰に分泌されたりすることも、高血糖の原因となります。
- 妊娠: 妊娠中に一時的に血糖値が高くなる「妊娠糖尿病」になることがあります。
出産後には改善する場合がほとんどですが、将来的に糖尿病になるリスクが高まることが知られています。
これらの要因が単独で、あるいは組み合わさることで高血糖が引き起こされます。
特に、遺伝的素因を持つ方が、不適切な生活習慣を続けることで糖尿病を発症するケースが多く見られます。
血糖値が高いと言われたら取るべき行動
健康診断などで血糖値が高いと指摘された場合、あるいは高血糖を疑わせる症状が現れた場合は、速やかに適切な行動を取ることが非常に重要です。
放置することは、将来的に深刻な結果を招く可能性があります。
高血糖を放置するリスクと合併症
高血糖状態が長期間続くと、全身の血管や神経が少しずつダメージを受け、様々な合併症を引き起こします。
これらの合併症は、一度発症すると完全に回復することが難しいものが多く、QOL(生活の質)を著しく低下させたり、生命を脅かしたりする可能性があります。
糖尿病の代表的な慢性合併症は、細い血管が障害される「三大合併症」と呼ばれるものと、太い血管が障害されるものに分けられます。
- 三大合併症(細小血管障害):
- 糖尿病性神経障害: 手足のしびれ、痛み、感覚麻痺、立ちくらみ、発汗異常、胃腸の不調、ED(勃起障害)など、全身の神経に影響が出ます。
特に足の感覚が鈍くなることで、傷や感染に気づきにくくなり、足病変のリスクが高まります。 - 糖尿病性網膜症: 目の網膜の血管が傷つき、視力低下や失明につながる可能性があります。
初期には自覚症状がないことがほとんどです。 - 糖尿病性腎症: 腎臓の機能が低下し、老廃物を十分に排泄できなくなります。
進行すると人工透析が必要となる場合があります。
初期には自覚症状がほとんどなく、尿検査でタンパク尿が出ることで発見されることが多いです。
- 糖尿病性神経障害: 手足のしびれ、痛み、感覚麻痺、立ちくらみ、発汗異常、胃腸の不調、ED(勃起障害)など、全身の神経に影響が出ます。
- 大血管障害:
- 動脈硬化: 高血糖は動脈硬化を促進させます。
これにより、心筋梗塞や狭心症といった心臓病、脳梗塞や脳出血といった脳卒中を発症するリスクが高まります。
また、足の血管が詰まる末梢動脈疾患(閉塞性動脈硬化症)も引き起こしやすくなります。
- 動脈硬化: 高血糖は動脈硬化を促進させます。
- その他の合併症:
- 感染症: 免疫機能が低下するため、肺炎、尿路感染症、皮膚感染症(水虫など)にかかりやすく、治りにくい傾向があります。
- 歯周病: 歯周病が悪化しやすく、歯を失う原因となります。
- 認知症: 糖尿病の人は、アルツハイマー型認知症や血管性認知症になりやすいことが報告されています。
このように、高血糖を放置すると、全身の様々な臓器に深刻なダメージが蓄積されます。
合併症の発症や進行を防ぐためには、血糖値を良好にコントロールすることが不可欠です。
医療機関を受診する目安と検査
以下のような場合は、速やかに医療機関(かかりつけ医、内科、糖尿病内科など)を受診することをお勧めします。
- 健康診断で血糖値(空腹時血糖値126mg/dL以上、随時血糖値200mg/dL以上など)やHbA1c(6.5%以上)が高いと指摘された。
- 「口が異常に渇く」「水分を大量に飲む」「尿の回数や量が増えた」「ダイエットをしていないのに体重が急に減った」「ひどく疲れやすい」「手足がしびれる」などの高血糖が疑われる症状が複数現れている。
- 家族に糖尿病の人がいるなど、糖尿病の発症リスクが高いと感じている。
- 食後の強い眠気や空腹感など、血糖値スパイクが疑われる症状がある。
医療機関では、問診や診察の後、通常以下のような検査が行われます。
検査項目 | 説明 | 基準値の目安(一般的な場合) | 高血糖・糖尿病の目安(一般的な場合) |
---|---|---|---|
空腹時血糖値 | 検査前10時間以上飲食せずに測定した血糖値。 | 70~99 mg/dL | 126 mg/dL以上 |
随時血糖値 | 食事時間に関係なく測定した血糖値。 | 特定の基準値なし | 200 mg/dL以上(糖尿病が強く疑われる) |
HbA1c (ヘモグロビンA1c) | 過去1~2ヶ月の血糖値の平均的な状態を示す指標。 | 4.6~6.2 % | 6.5 %以上 |
ブドウ糖負荷試験 (OGTT) | ブドウ糖液を飲んだ後の血糖値とインスリン分泌の変化を調べる。 | 正常型 | 境界型、糖尿病型 |
尿糖検査 | 尿中に糖が出ているか調べる。血糖値が高いと陽性になることがある。 | 陰性 | 陽性(ただし、尿糖だけでは診断できない) |
尿タンパク検査 | 尿中にタンパク質が出ているか調べる。腎症の早期発見に役立つ。 | 陰性 | 陽性 |
これらの検査結果をもとに、医師が総合的に判断し、高血糖の状態や糖尿病の診断を行います。
診断が確定した場合は、病状に応じて治療方針が立てられます。
日常生活でできる血糖値改善の対策
医療機関での診断や治療と並行して、日常生活での対策を行うことが血糖値の改善には非常に重要です。
ご自身でできる具体的な対策をいくつかご紹介します。
- 食事療法:
- バランスの取れた食事: 炭水化物、タンパク質、脂質をバランス良く摂りましょう。
極端な糖質制限は栄養バランスを崩す可能性があるので、医師や管理栄養士と相談しながら行いましょう。 - 食べる順番: 食物繊維の多い野菜やきのこ類、海藻類を最初に食べることで、糖の吸収を緩やかにし、食後血糖値の急激な上昇を抑える効果が期待できます。
次にタンパク質のおかず、最後に炭水化物を摂るのがおすすめです。 - 適正な量: 一回の食事量を適正に保ち、食べすぎを防ぎましょう。
腹八分目を心がけ、ゆっくりとよく噛んで食べることで満腹感を得やすくなります。 - 規則正しい時間: 毎日決まった時間に食事を摂ることで、血糖値の変動を安定させやすくなります。
- 間食・甘い飲み物を控える: ケーキ、お菓子、ジュース、清涼飲料水などは血糖値を急激に上昇させるため、できるだけ控えましょう。
- バランスの取れた食事: 炭水化物、タンパク質、脂質をバランス良く摂りましょう。
- 運動療法:
- 有酸素運動: ウォーキング、ジョギング、水泳、サイクリングなど、軽く息が弾む程度の有酸素運動を毎日合計30分以上、または週に150分以上行うことが推奨されています。
食後に運動すると、食後高血糖を抑える効果が期待できます。 - 筋力トレーニング: 筋肉量を増やすことで、ブドウ糖の利用効率が高まります。
スクワットや腕立て伏せなど、無理のない範囲で筋力トレーニングも取り入れましょう。 - 座りっぱなしの時間を減らす: デスクワークなどで長時間座っている場合は、30分に一度立ち上がって軽いストレッチをしたり、短い距離でも歩いたりする習慣をつけましょう。
- 有酸素運動: ウォーキング、ジョギング、水泳、サイクリングなど、軽く息が弾む程度の有酸素運動を毎日合計30分以上、または週に150分以上行うことが推奨されています。
- 体重管理: 適正体重を維持または目指すことが重要です。
特に肥満がある場合は、5~10%体重を減らすだけでも、血糖コントロールが改善することが期待できます。 - 禁煙・節酒: 喫煙はきっぱりとやめましょう。
アルコールは適量にとどめ、できれば休肝日を設けましょう。 - 十分な睡眠とストレス管理: 毎日質の良い睡眠を十分に確保し、ストレスを上手に解消する方法を見つけましょう。
リラクゼーション、趣味、軽い運動などが有効です。
これらの対策は、高血糖の改善だけでなく、健康全般にとっても非常に有効です。
継続することが重要なので、無理なく続けられる方法を見つけることが大切です。
高血糖の症状セルフチェックリスト
以下の項目に当てはまるものがないか、ご自身の体の状態をチェックしてみましょう。
リストの項目に複数当てはまる場合は、高血糖の可能性があるため、医療機関への受診を検討してください。
チェック項目 | はい | いいえ |
---|---|---|
口が異常に渇くことが多いですか? | □ | □ |
水分を普段より多く飲むようになりましたか? | □ | □ |
トイレに行く回数が増えましたか? | □ | □ |
一回に出る尿の量が増えましたか? | □ | □ |
普段と食事量は変わらないのに、体重が減りましたか? | □ | □ |
体がだるい、疲れやすいと感じることが増えましたか? | □ | □ |
十分に寝ても疲れが取れないと感じますか? | □ | □ |
食後すぐに強い眠気を感じることがよくありますか? | □ | □ |
お腹が空くのが早く、空腹感が強いですか? | □ | □ |
集中力が続かない、ぼんやりすることがありますか? | □ | □ |
体が乾燥しやすく、かゆみを感じることが多いですか? | □ | □ |
手足の先がしびれる、ピリピリ痛むことがありますか? | □ | □ |
小さな傷や虫刺されなどが治りにくいと感じますか? | □ | □ |
よく風邪をひくなど、感染症にかかりやすくなりましたか? | □ | □ |
過去に健康診断で血糖値やHbA1cが高いと指摘されたことがありますか? | □ | □ |
親や兄弟姉妹に糖尿病の方がいますか? | □ | □ |
※ このチェックリストはあくまで目安です。診断を行うものではありません。一つでも当てはまる項目がある場合や、気になる症状がある場合は、自己判断せず必ず医療機関に相談してください。
まとめ|血糖値の異常を感じたら専門医へ相談を
血糖値が高い状態(高血糖)は、「沈黙の病気」と呼ばれる糖尿病のサインである可能性があり、初期には自覚症状がほとんどないことが多いです。
しかし、高血糖が続くと、口渇・多飲・多尿、体重減少、倦怠感といった比較的わかりやすい症状が現れることがあります。
さらに進行すると、手足のしびれ、傷の治りにくさ、視力低下など、様々な合併症の症状が出現し、生活に支障をきたしたり、生命に関わる重大な事態を招いたりするリスクが高まります。
これらの症状は、すでに血糖値がかなり高くなっているサインと考えられます。
たとえ症状が軽くても、健康診断で血糖値が高いと指摘された場合は、決して軽視せず、速やかに医療機関を受診することが重要です。
早期に高血糖を発見し、適切な治療や生活習慣の改善に取り組むことで、糖尿病への進行を抑えたり、将来的な合併症の発症や悪化を防いだりすることが可能です。
「もしかしたら…?」と少しでも不安を感じたら、迷わず医療機関を受診し、専門医に相談してください。
医師は、検査結果や症状から正確な診断を行い、一人ひとりに合ったアドバイスや治療法を提案してくれます。
ご自身の体のサインを見逃さず、健康な未来のために一歩を踏み出しましょう。
免責事項: 本記事は情報提供を目的としており、医学的な診断や治療を推奨するものではありません。
個別の症状や状態については、必ず医療機関を受診し、医師の判断を仰いでください。