【今日からできる】血糖値を下げる方法|食事と運動のコツ
血糖値が高い状態が気になる、なんとかして正常値に戻したい。そう考えている方は多いのではないでしょうか。血糖値は、食事から摂ったブドウ糖が血液中にどれくらい含まれているかを示す値です。
健康な体を維持するためには、血糖値を適切にコントロールすることが非常に重要です。高すぎる状態が続くと、さまざまな健康問題を引き起こすリスクが高まります。
この記事では、血糖値を下げるために日常生活でできる具体的な方法を、食事、運動、生活習慣の3つの柱から詳しく解説します。今日からすぐに始められることもたくさんありますので、ぜひ参考にしてみてください。
血糖値が高い状態が引き起こすリスクとは
血糖値が高い状態、特に食後の血糖値が急激に上がったり、空腹時血糖値が慢性的に高かったりする状態が続くと、体には大きな負担がかかります。この状態を「高血糖」と呼びます。一時的な高血糖であれば問題ないこともありますが、長期間にわたる高血糖は、血管や神経を傷つけ、全身のさまざまな臓器に悪影響を及ぼします。
最も代表的なリスクが、糖尿病の発症です。糖尿病は、インスリンという血糖値を下げるホルモンの働きが悪くなるか、分泌量が不足することで起こる病気です。糖尿病が怖いのは、自覚症状がないまま進行し、やがて深刻な合併症を引き起こす点です。
糖尿病の三大合併症と呼ばれるのは、以下の3つです。
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糖尿病性神経障害: 手足のしびれや感覚の麻痺、立ちくらみ、便秘や下痢など、さまざまな神経の機能障害が現れます。ひどくなると、足の感覚が失われ、傷に気づかず悪化して切断に至るケースもあります。
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糖尿病性網膜症: 目の奥にある網膜の血管が傷つき、視力が低下します。進行すると失明する可能性もある、成人になってからの失明原因の上位を占める病気です。
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糖尿病性腎症: 腎臓の機能が徐々に低下し、体内の老廃物や余分な水分をうまく排出できなくなります。進行すると人工透析が必要になることもあります。
これらの三大合併症の他にも、高血糖は動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳卒中といった命に関わる病気のリスクを高めます。また、免疫力が低下しやすくなり、感染症にかかりやすくなったり、傷が治りにくくなったりすることもあります。歯周病も悪化しやすくなることが知られています。
このように、高血糖は体の至るところに悪影響を及ぼす「万病のもと」とも言える状態です。だからこそ、血糖値が高いと指摘されたら、できるだけ早く、そして継続的に血糖値を正常値に近づける努力を始めることが大切なのです。
血糖値を下げるために見直したい基本原則
血糖値を下げるための取り組みは、決して難しいことばかりではありません。日々の生活習慣を見直し、改善していくことが基本となります。その中心となるのが、食事療法と運動療法です。この二つを組み合わせることで、インスリンの効果を高めたり、ブドウ糖の利用を促進したりして、血糖値を改善することが期待できます。
さらに、食事や運動だけでなく、睡眠、ストレス、喫煙、飲酒といった生活習慣全般が血糖値に影響することが分かっています。これらの要素も総合的に見直すことが重要です。
ただし、これらの生活習慣の改善だけでは血糖値が十分に下がらない場合や、すでに血糖値がかなり高い場合には、医師の判断で薬物療法が必要となることもあります。薬物療法は、医師の指導のもと、正しく行うことが何よりも重要です。
血糖値を下げるための取り組みは、一時的に行うのではなく、継続することが鍵となります。焦らず、できることから一つずつ、楽しみながら生活に取り入れていく姿勢が大切です。また、自己判断だけでなく、かかりつけ医や管理栄養士などの専門家と相談しながら進めることで、より効果的かつ安全に取り組むことができるでしょう。
血糖値を下げる食事のポイントと具体的な方法
血糖値は、食後に摂取した糖質が分解・吸収されることで上昇します。そのため、血糖値管理において食事療法は最も基本的な、そして非常に効果的なアプローチです。食事で重要なのは、「何を食べるか」だけでなく、「どのように食べるか」も含まれます。
血糖値を下げる効果が期待できる食べ物・飲み物
血糖値の上昇を緩やかにしたり、インスリンの働きを助けたりする効果が期待できる食品を積極的に食事に取り入れましょう。
食物繊維を豊富に含む食品
食物繊維は、糖質の吸収を遅らせ、食後の急激な血糖値上昇(血糖値スパイク)を抑える働きがあります。また、満腹感を得やすく、食べ過ぎ防止にも役立ちます。
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野菜: ほうれん草、ブロッコリー、キャベツ、きのこ類(しいたけ、えのき、まいたけなど)、海藻類(わかめ、昆布、ひじきなど)など、多くの野菜やきのこ、海藻に豊富に含まれます。特に葉物野菜や根菜、海藻類を意識的に摂りましょう。
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全粒穀物: 玄米、全粒粉パン、オートミールなど。白米や白いパンに比べて精製度が低く、食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富です。
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豆類: 大豆、納豆、豆腐、枝豆など。食物繊維だけでなく、良質なたんぱく質も豊富です。
これらの食品を毎食に取り入れることで、食事全体の血糖値への影響を和らげることが期待できます。
糖質の吸収を穏やかにする食品
低GI食品を選ぶことも、血糖値管理には有効です。GI値(グリセミック・インデックス)とは、食品に含まれる糖質の吸収度合いを示し、GI値が高い食品ほど食後の血糖値を急激に上昇させやすいとされています。
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大豆製品: 豆腐、納豆、豆乳など。低GIでたんぱく質も豊富です。
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乳製品: 牛乳、ヨーグルト、チーズなど(無糖のものを選ぶ)。
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ナッツ類: アーモンド、くるみ、ピーナッツなど。食物繊維や良質な脂質が含まれますが、カロリーは高めなので適量にしましょう。
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一部の果物: いちご、ブルーベリー、りんごなど。ただし、果物に含まれる果糖も血糖値に影響するため、食べる量には注意が必要です。
低GI食品を取り入れつつも、全体の食事バランスや糖質の総量を意識することが重要です。
血糖値対策におすすめの飲み物
水分補給は血糖値管理にも大切です。血糖値を急激に上げない飲み物を選びましょう。
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水: 最も基本的で安心な飲み物です。
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無糖のお茶: 緑茶、麦茶、ほうじ茶など。カフェインの摂りすぎには注意が必要ですが、一般的に血糖値への影響は少ないです。一部の研究では、緑茶に含まれるカテキンが血糖値の上昇を抑える可能性も示唆されています。
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ブラックコーヒー: 適量であれば血糖値への影響は少ないとされています。ただし、ミルクや砂糖を加えると血糖値を上げる原因となるため避けましょう。
糖分が多く含まれる清涼飲料水やジュースは、血糖値を急激に上昇させるため、避けるべき飲み物です。
血糖値を急激に上げない食事の摂り方
何を食べるかだけでなく、どのように食べるかも血糖値管理には大きく影響します。
食べる順番を工夫する
食事の際に野菜→タンパク質・脂質→炭水化物の順番で食べると、食後の血糖値の急激な上昇を抑える効果が期待できます。最初に食物繊維を多く含む野菜やきのこ、海藻などを食べることで、その後の糖質の吸収を穏やかにするためです。
次に肉、魚、卵、大豆製品などのタンパク質や適量の脂質を摂り、最後に米、パン、麺類といった炭水化物を食べるように意識しましょう。
適切な量と回数を守る
一度に大量の食事を摂ると、血糖値が急激に上昇しやすくなります。腹八分目を心がけ、規則正しい時間に一日三食を摂ることが基本です。食事と食事の間隔が開きすぎると、次の食事で血糖値が急上昇する「ドカ食い」につながりやすいため注意が必要です。
また、間食をする場合は、血糖値への影響が少ないものを選びましょう。例えば、無糖ヨーグルト、ナッツ類(少量)、野菜スティックなどがおすすめです。菓子類や甘い飲み物は血糖値を急激に上げるため避けるようにしましょう。
血糖値が高い人が避けるべき食べ物・飲み物
血糖値を急激に上げやすい食品や、健康に悪影響を及ぼしやすい食品は避けるようにしましょう。
避けるべき食品・飲み物 | 理由 | 具体例 |
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砂糖を多く含むもの | 血糖値を急激に上昇させる。 | 菓子類、ケーキ、チョコレート、和菓子、加糖ヨーグルト |
清涼飲料水・ジュース | 液状で糖分がすぐに吸収されるため、血糖値が急上昇しやすい。 | コーラ、サイダー、スポーツドリンク、果汁100%ジュース |
精製された炭水化物 | 食物繊維が少なく、糖質が早く吸収される。 | 白米、白いパン、うどん、そうめん、パスタ |
高脂肪な食品 | 血糖値の直接的な上昇は少ないが、インスリンの働きを悪くしやすく、肥満の原因になる。 | フライドポテト、揚げ物、脂身の多い肉、バター、生クリーム、菓子パン |
加工食品 | 砂糖、塩分、脂肪が多く含まれることが多い。 | カップ麺、スナック菓子、加工肉(ソーセージ、ハム) |
ドライフルーツ | 少量でも糖分が多く含まれている。 | 干しぶどう、干し柿、マンゴー、プルーンなど |
これらの食品を完全に排除する必要はありませんが、食べる量や頻度を減らすことから始めてみましょう。特に空腹時にこれらの食品を大量に摂ることは避けるべきです。
血糖値を下げる運動のポイントと具体的な方法
運動は、血糖値を下げる上で食事療法と並んで非常に重要な役割を果たします。運動によって筋肉がブドウ糖をエネルギーとして消費するため、血液中のブドウ糖が減少し、血糖値が下がります。また、運動を続けることで、インスリンの効きが良くなる(インスリン感受性が向上する)ことも期待できます。
血糖値コントロールに効果的な運動の種類
血糖値を下げるには、主に二種類の運動が効果的です。
有酸素運動
ウォーキング、ジョギング、水泳、サイクリング、ダンスなど、比較的軽い負荷で長時間行える運動です。これらの運動は、体内のブドウ糖や脂肪をエネルギーとして利用するため、血糖値を下げる効果が高いとされています。特に、食後1~2時間後に行うと、食後の血糖値上昇を抑えるのに効果的です。息が弾むくらいの「ややきつい」と感じる強度で、継続して行うことが推奨されます。
筋力トレーニング
スクワット、腕立て伏せ、ダンベルを使ったトレーニングなど、筋肉に負荷をかける運動です。筋肉はブドウ糖を取り込んで蓄える働きがあるため、筋肉量が増えると、より多くのブドウ糖を処理できるようになります。また、筋肉を動かすこと自体がブドウ糖の利用を促進します。筋力トレーニングは、週に2~3回程度、無理のない範囲で行うのがおすすめです。
有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせることで、より効果的に血糖値をコントロールできることが分かっています。例えば、ウォーキングの途中にスクワットを取り入れたり、週に数回ジムでトレーニングしたりするなど、ライフスタイルに合わせて工夫してみましょう。
運動の頻度と時間
血糖値管理のための運動は、継続することが何よりも大切です。厚生労働省などのガイドラインでは、週に合計150分以上の中強度の有酸素運動を行うことが推奨されています。例えば、1回30分のウォーキングを週に5回行うといったペースです。まとめて行うより、毎日少しずつでも良いので継続して行う方が、血糖値のコントロールには効果的です。
また、座りっぱなしの時間を減らすことも重要です。1時間座ったら数分間立ち上がって軽く体を動かすだけでも、血糖値の上昇を抑える効果があることが示されています。
速攻で血糖値を下げる可能性のある軽い運動・体操
食後の血糖値の急上昇を抑えるために、食事の後にすぐに取り入れられる軽い運動も効果的です。
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食後の軽いウォーキング: 食後15分~30分程度の軽い散歩は、血糖値の急上昇を抑えるのに効果的です。
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その場足踏み: テレビを見ながらや休憩時間など、手軽にできます。姿勢を正して行うのがポイントです。
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スクワット(軽度): 食後に数回行うだけでも、下半身の大きな筋肉を使うため、ブドウ糖の利用を促進します。深く腰を下ろさず、軽く膝を曲げる程度でも構いません。
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かかと上げ: 立ったままかかとを上げ下げする運動です。ふくらはぎの筋肉を使います。
これらの運動は、激しいものでなくても継続して行うことで、食後の血糖値コントロールに役立ちます。
運動を始める際は、準備運動や整理運動をしっかり行い、水分補給も忘れずに行いましょう。また、心臓や腎臓などに持病がある方や、現在薬を服用している方は、運動を始める前に必ず医師に相談し、安全な運動メニューについてアドバイスをもらいましょう。
血糖値を下げるための生活習慣改善
食事と運動は血糖値管理の二本柱ですが、それ以外の生活習慣も血糖値に大きな影響を与えます。睡眠不足やストレス、喫煙、過度な飲酒などは、血糖値を上昇させたり、インスリンの働きを悪くしたりする要因となります。
質の高い睡眠を確保する
睡眠不足は、血糖値をコントロールするホルモン(インスリンやコルチゾールなど)のバランスを崩し、インスリンの効きを悪くする(インスリン抵抗性を高める)ことが分かっています。その結果、血糖値が上がりやすくなります。
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規則正しい睡眠時間: 毎日同じ時間に寝て起きるように心がけましょう。
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十分な睡眠時間: 一般的に7~8時間の睡眠が良いとされていますが、個人差があります。日中に眠気を感じない程度の睡眠時間を確保しましょう。
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寝る前の工夫: 寝る前にカフェインやアルコールを摂りすぎない、寝る前にスマートフォンやパソコンの使用を控える、軽いストレッチや読書などでリラックスするなど、スムーズに眠りに入れるように工夫しましょう。
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快適な睡眠環境: 寝室の温度や湿度、明るさ、音などを快適な状態に整えましょう。
ストレスを適切に管理する
ストレスを感じると、体はストレスホルモン(コルチゾールなど)を分泌します。これらのホルモンは、血糖値を上げる働きがあるため、慢性的なストレスは高血糖につながる可能性があります。
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リラクゼーション: 深呼吸、瞑想、ヨガ、アロマセラピーなど、自分に合ったリラックスできる方法を見つけましょう。
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趣味や楽しみ: 好きなことに没頭する時間を作ることで、ストレスを解消できます。
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休息: 十分な休息を取り、心身の疲れを癒しましょう。
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相談: 一人で抱え込まず、家族や友人、専門家などに相談することも大切です。
禁煙・節酒の重要性
喫煙は、血管を傷つけ、動脈硬化を進行させるだけでなく、インスリンの効きを悪くすることが分かっています。血糖値を下げるためには、禁煙することが非常に重要です。すでに禁煙している方も、副流煙にも注意が必要です。
アルコールは、摂取した糖分が血糖値を上げる可能性があります。また、飲みすぎは肝臓に負担をかけ、血糖値のコントロールを難しくすることがあります。さらに、アルコールと一緒に高カロリーなおつまみを食べることで、全体の摂取カロリーや糖質量が増え、血糖値に悪影響を及ぼします。
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禁煙: 禁煙外来などを利用することも検討しましょう。
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節酒: 飲む量や頻度を減らす、休肝日を設けるなど、無理のない範囲で取り組みましょう。日本糖尿病学会では、1日あたりのアルコール摂取量はエタノール換算で男性20g以下、女性10g以下を目安としています。
これらの生活習慣の改善は、血糖値だけでなく、心血管疾患などの他の病気のリスクも減らすことにつながります。
血糖値を下げる薬物療法について
食事療法や運動療法、生活習慣の改善といった非薬物療法だけでは目標とする血糖値に達しない場合や、血糖値が非常に高い場合には、医師の判断により薬物療法が開始されます。薬物療法は、血糖値を安全に目標値に近づけるための重要な選択肢ですが、必ず医師の指示のもとで行う必要があります。
薬の種類と役割
血糖降下薬には、さまざまな種類があり、それぞれ異なるメカニズムで血糖値を下げます。主なタイプは以下の通りです。
薬の種類(作用機序) | 役割・効果 |
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インスリン分泌促進薬 | 膵臓からのインスリン分泌を促す。 |
インスリン抵抗性改善薬 | 筋肉や脂肪などでのインスリンの効きを良くする。 |
糖の吸収・排出を抑える薬 | 消化管からの糖の吸収を遅らせたり、腎臓からの糖の排出を促進したりする。 |
GLP-1受容体作動薬 | インスリン分泌を促し、グルカゴン分泌を抑え、胃の働きを緩やかにするなど。注射薬が多い。 |
DPP-4阻害薬 | GLP-1を分解する酵素を抑え、インスリン分泌を間接的に促す。 |
SGLT2阻害薬 | 腎臓で糖が再吸収されるのを抑え、尿として排出させる。 |
インスリン製剤 | 体外からインスリンを補充する。注射で使用される。 |
どの薬を選択するかは、患者さんの血糖値の状態、合併症の有無、年齢、腎機能、肝機能、その他の病気や服用中の薬などを総合的に考慮して、医師が判断します。複数の種類の薬を組み合わせて使用することもあります。
薬を使用する際の注意点
血糖降下薬を使用する際には、いくつかの重要な注意点があります。
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医師の指示を厳守する: 薬の種類、飲む量、飲むタイミングなどは、医師が患者さんの状態に合わせて慎重に決めています。自己判断で薬の量を変えたり、服用を中止したりすることは絶対に避けましょう。
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副作用について理解しておく: 薬には効果がある一方で、副作用が生じる可能性もあります。低血糖(血糖値が下がりすぎる状態)が代表的な副作用ですが、薬によっては胃腸の不調や体重の変化など、様々な副作用が現れることがあります。医師や薬剤師から十分に説明を受け、気になる症状が現れた場合は速やかに相談しましょう。
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定期的な診察を受ける: 薬の効果や副作用を確認し、治療方針を調整するためには、定期的な通院が不可欠です。
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他の薬やサプリメントとの飲み合わせ: 現在服用している他の薬や、これから使用する可能性のあるサプリメントなどがある場合は、必ず医師や薬剤師に伝えましょう。飲み合わせによっては、薬の効果が強くなったり弱くなったり、予期しない副作用が生じたりすることがあります。
薬物療法は血糖値をコントロールするための強力な手段ですが、それはあくまで食事療法や運動療法といった生活習慣改善を補うものです。薬を服用しているからといって、生活習慣の改善をおろそかにして良いわけではありません。両輪で取り組むことが、より良い血糖コントロールにつながります。
医療機関へ相談すべきケース
血糖値が高いと指摘された場合や、ご自身の血糖値について心配な点がある場合は、早めに医療機関を受診することをおすすめします。特に以下のような場合は、迷わず医師に相談しましょう。
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健康診断や人間ドックで血糖値の異常(高値)を指摘された: 自覚症状がなくても、健診で異常が見つかることはよくあります。放置せず、専門医に相談しましょう。
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糖尿病の典型的な症状がある: 強い喉の渇き、水分をたくさん飲む、尿の回数が増える、体がだるい、体重が急に減るといった症状は、高血糖のサインである可能性があります。
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血糖値が高いかどうか確認したい: ご自身の血糖値が正常範囲内か知りたい場合や、家族に糖尿病の人がいて心配な場合などは、検査を受けることができます。
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食事や運動を頑張っているのに血糖値が下がらない: 生活習慣の改善を続けてもなかなか血糖値が目標値に近づかない場合は、治療法の見直しや薬物療法の検討が必要かもしれません。
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足のしびれ、目の見えにくさ、傷の治りにくさなど、合併症が疑われる症状がある: これらの症状は、高血糖が長期間続いたことによる合併症のサインである可能性があります。早期に発見し、適切な治療を受けることが重要です。
医療機関では、血液検査で血糖値(空腹時血糖値やHbA1cなど)を詳しく調べ、診断や治療方針の決定を行います。HbA1cは過去1~2ヶ月の平均的な血糖値を示す指標であり、血糖コントロールの状態を評価する上で非常に重要です。
かかりつけ医がいる場合はまず相談し、必要に応じて糖尿病専門医や内分泌内科医を紹介してもらうと良いでしょう。医師や管理栄養士、看護師など、専門家チームのサポートを受けながら、ご自身に合った血糖値管理の方法を見つけることが大切です。
近年では、オンライン診療で糖尿病に関する相談や診療を行っているクリニックもあります。通院の負担を減らしたい、忙しくて時間が取れないといった場合には、オンライン診療も一つの選択肢となり得ます。ただし、検査が必要な場合や合併症の評価が必要な場合は、対面診療が必要となりますので、まずはクリニックに相談してみましょう。
まとめ|血糖値を下げるには継続的な取り組みが鍵
血糖値を下げるための取り組みは、一朝一夕に効果が出るものではありません。食事、運動、睡眠、ストレス管理といった日々の生活習慣を総合的に見直し、そして継続していくことが何よりも大切です。
この記事でご紹介したように、血糖値を下げるためには、以下のポイントを意識しましょう。
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食事: 食物繊維を豊富に含む食品や低GI食品を積極的に摂り、砂糖や高脂肪な食品は控えめに。食べる順番や量、回数にも注意しましょう。
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運動: 有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせて、週に150分以上の中強度運動を目指しましょう。食後の軽い運動も効果的です。
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生活習慣: 質の高い睡眠を確保し、ストレスを適切に管理する。禁煙・節酒も重要な要素です。
これらの取り組みは、血糖値を下げるだけでなく、体重管理や心血管疾患予防など、全身の健康維持にもつながります。
ご自身の血糖値が高いかどうか、またどのように管理していくべきかについては、必ず医療機関で医師に相談してください。個々の健康状態やライフスタイルに合わせた適切なアドバイスを受けることが、安全かつ効果的に血糖値を管理するための第一歩です。
血糖値が高い状態を放置せず、今日からできることから一歩ずつ、前向きに取り組んでいきましょう。継続は力なり。毎日の少しずつの努力が、健康な未来へと繋がっていきます。
免責事項:
本記事は血糖値を下げるための一般的な情報提供を目的としており、特定の疾患の診断や治療を推奨するものではありません。個人の健康状態や治療方針については、必ず医師や専門家にご相談ください。本記事の情報に基づいて発生したいかなる結果についても、当方は一切の責任を負いません。