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メトグルコの副作用を知りたい方へ|乳酸アシドーシスなど危険な症状と対処法

[2025.06.29]

メトグルコは、2型糖尿病の治療において中心的な役割を果たす、非常に重要な薬です。世界中で広く使用されており、血糖値を下げる効果が高いことで知られています。しかし、どのような薬にも副作用の可能性があります。これからメトグルコを服用する方や、現在服用中で副作用に不安を感じている方のために、この記事ではメトグルコの副作用について、その種類や対処法、注意点を詳しく解説します。

薬について正しく理解することは、安心して治療を続けるための第一歩です。副作用の情報を知ることで、万が一の時にも冷静に対応できるようになります。

メトグルコの主な副作用と発生頻度

メトグルコを飲み始めたときに、比較的多くの人が経験する副作用があります。その多くは消化器系の症状で、服用を続けるうちに体が慣れて軽快することが多いです。

消化器系の副作用(下痢、吐き気、食欲不振など)

メトグルコの副作用として最も報告が多いのが、下痢、吐き気、食欲不振、腹痛、便秘といった消化器系の症状です。これらは、メトグルコが小腸からの糖の吸収を抑える作用を持つことに関連して起こると考えられています。

  • 下痢・軟便: 最も頻度が高い副作用です。
  • 吐き気・悪心: 食後に不快感を感じることがあります。
  • 食欲不振: 食事量が減ることがあります。
  • 腹部膨満感・腹痛: お腹が張ったり、痛んだりすることがあります。
  • 便秘: 下痢とは逆に便秘になる方もいます。

これらの症状は、薬の服用を開始した初期や、薬の量を増やした時に現れやすい傾向があります。多くの場合、2〜3週間ほどで体が慣れて症状が軽くなるか、自然に治まります。

その他の比較的起こりやすい副作用

消化器症状以外にも、以下のような副作用が報告されています。

  • 味覚異常(金属のような味がする)
  • 倦怠感
  • 頭痛・頭重
  • ビタミンB12の吸収不良(長期服用の場合)

これらの症状が続く場合や、日常生活に支障が出るほどつらい場合は、我慢せずに医師や薬剤師に相談しましょう。

特に注意が必要なメトグルコの重大な副作用

頻度は非常にまれですが、メトグルコには命に関わる可能性のある重大な副作用も報告されています。これらの初期症状を知っておくことは非常に重要です。

乳酸アシドーシス:初期症状と注意すべき人

メトグルコの副作用の中で最も注意すべきものが乳酸アシドーシスです。これは、体内に乳酸が異常に蓄積し、血液が酸性に傾く危険な状態です。発症すると致命的になる可能性があり、迅速な対応が必要です。

【乳酸アシドーシスの初期症状】
以下のような症状が現れた場合は、直ちにメトグルコの服用を中止し、すぐに医療機関を受診してください。

  • 胃腸症状: 吐き気、嘔吐、激しい腹痛、下痢
  • 全身症状: 全身の倦怠感、筋肉痛、体の痛み
  • 呼吸の異常: 過呼吸(ハアハアと速く浅い呼吸になる)
  • 意識障害: めまい、ふらつき、意識が遠のく

特に、風邪や胃腸炎(シックデイ)の時、脱水状態の時、過度なアルコールを摂取した時などにリスクが高まります。

【乳酸アシドーシスのリスクが高い人】
以下に該当する方は、特に注意が必要です。

  • 腎機能障害のある方
  • 肝機能障害のある方
  • 高齢者
  • 脱水状態になりやすい方
  • 過度のアルコールを摂取する習慣のある方
  • 心血管系や肺機能に重い障害がある方

その他の重大な副作用(横紋筋融解症など)

乳酸アシドーシス以外にも、まれに以下のような重大な副作用が報告されています。

重大な副作用 主な初期症状
低血糖 強い空腹感、冷や汗、手足の震え、動悸、めまい、ふらつき
肝機能障害・黄疸 全身の倦怠感、食欲不振、皮膚や白目が黄色くなる、吐き気
横紋筋融解症 筋肉の痛み、手足のしびれ・こわばり、脱力感、赤褐色の尿
無顆粒球症・汎血球減少症 突然の高熱、のどの痛み、倦怠感、青あざができやすい、鼻血・歯ぐきの出血

これらの症状に気づいた場合も、速やかに医師の診察を受けてください。

メトグルコの副作用が出た場合の対処法

自己判断せず医師・薬剤師に相談する

副作用と思われる症状が出た場合、最も重要なことは自己判断で薬の服用を中止しないことです。急に服用をやめると血糖値が急上昇し、かえって危険な状態を招く恐れがあります。

まずは、薬を処方した医師や、かかりつけの薬局の薬剤師に電話などで相談してください。症状の程度や内容を伝えることで、適切なアドバイスをもらえます。

特定の副作用への具体的な対応

  • 軽い下痢や吐き気の場合: 医師の判断により、少量から服用を再開したり、食直後に服用することで症状が和らぐことがあります。整腸剤などが一緒に処方される場合もあります。
  • 重大な副作用が疑われる場合: 前述の通り、直ちに服用を中止し、救急外来を含めて医療機関を受診してください。受診の際は、メトグルコを服用していることを必ず伝えてください。

メトグルコ服用時の重要な注意点

安全に治療を続けるために、日常生活で気をつけるべき点がいくつかあります。

シックデイ(食事が摂れない時)の対応

シックデイとは、風邪、発熱、下痢、嘔吐などで食事が十分に摂れない状態のことです。このような時は、脱水状態になりやすく、乳酸アシドーシスのリスクが非常に高まります。

シックデイの場合は、原則としてメトグルコの服用を中止(休薬)します。

食事が摂れないのに薬を飲み続けると、低血糖や副作用のリスクが高まります。体調が回復し、食事が普段通り摂れるようになったら服用を再開してください。
いつ服用を中止・再開すべきか、事前に医師や薬剤師と「シックデイルール」について確認しておくと安心です。

腎機能障害・肝機能障害がある場合の注意

メトグルコは主に腎臓から排泄されるため、腎機能が低下していると薬の成分が体内に蓄積し、副作用(特に乳酸アシドーシス)のリスクが高まります。そのため、重度の腎機能障害がある方は服用できません。また、肝機能障害がある方も乳酸の代謝が低下するため注意が必要です。
定期的に血液検査などで腎臓や肝臓の機能を確認することが大切です。

過度のアルコール摂取を避ける理由

アルコールは肝臓での乳酸の代謝を妨げ、乳酸アシドーシスを引き起こす大きな要因となります。メトグルコを服用している間は、過度のアルコール摂取(多量の飲酒)は絶対に避けてください。
「お付き合いで少しだけ」という場合でも、事前に医師に相談しておくのが賢明です。

高齢者の服用について

高齢者の方は、自覚症状がなくても腎機能や肝機能が低下していることが多く、副作用のリスクが高まる傾向にあります。また、脱水にも気づきにくいことがあります。そのため、少量から投与を開始するなど、より慎重な服用管理が必要です。

メトグルコの禁忌と併用注意薬

メトグルコを服用できない人・状態

以下に該当する場合、メトグルコを服用することはできません。

  • 重度の腎機能障害のある方、透析患者の方
  • 重度の肝機能障害のある方
  • 過去に乳酸アシドーシスになったことがある方
  • 重症の感染症にかかっている方、手術前後の方
  • 心血管系、肺機能に高度の障害がある方
  • 脱水状態、過度のアルコール摂取者
  • メトグルコの成分に対し過敏症の既往歴のある方
  • 妊婦または妊娠している可能性のある方

一緒に飲むことに注意が必要な薬

他の薬との飲み合わせによっては、メトグルコの効果が強く出すぎたり(低血糖)、副作用のリスクが高まったりすることがあります。

  • ヨード造影剤: CT検査などで使用されます。検査の前後はメトグルコを一時的に休薬する必要があります。必ず検査を受けることを医師・薬剤師に伝えてください。
  • 血糖値を下げる効果を強める薬: 他の糖尿病治療薬、一部の血圧の薬、解熱鎮痛薬など
  • 血糖値を上げる効果を強める薬: ステロイド薬、利尿薬、甲状腺ホルモン薬など

他の医療機関で薬を処方される場合や、市販薬を購入する際は、必ずメトグルコを服用していることを伝え、お薬手帳を活用しましょう。

メトグルコの効果と作用機序

副作用だけでなく、薬がどのように効くのかを知ることも大切です。

メトグルコはなぜ血糖値を下げるのか

メトグルコは「ビグアナイド薬」に分類され、主に以下の3つの作用で血糖値を下げます。

  • 肝臓で糖が作られるのを抑える
  • 筋肉などで糖が利用されるのを助ける
  • 小腸からの糖の吸収を穏やかにする

インスリンの分泌を直接促すわけではないため、メトグルコ単独の服用では低血糖を起こしにくいという大きなメリットがあります。

メトグルコと体重(痩せること)の関係

メトグルコを服用すると「体重が増加しにくい」、あるいは「わずかに減少することがある」と言われています。これは、食欲を少し抑える作用や、糖の吸収を穏やかにする作用などが関係していると考えられています。
しかし、メトグルコはあくまで糖尿病治療薬です。痩せる目的(ダイエット目的)で使用することは適応外であり、重大な副作用のリスクを伴うため絶対に行わないでください。

メトグルコに関する過去の情報(自主回収など)

メトグルコ錠の一部ロット自主回収について

2020年から2021年にかけて、一部の製薬会社のメトグルコ(および関連する後発医薬品)から、管理指標値を超える発がん性物質(N-ニトロソジメチルアミン: NDMA)が検出されたため、自主回収(クラスI)が行われました。
現在は製造管理体制が見直され、市場に流通している製品は基準を満たしたものとなっています。当時服用していた方で不安な場合は、処方元の医療機関にご相談ください。

メトグルコの副作用に関するよくある質問

Q. メトグルコの重大な副作用は?

A. 最も注意すべき重大な副作用は乳酸アシドーシスです。頻度は非常にまれですが、命に関わる可能性があるため、吐き気や激しい腹痛、筋肉痛、過呼吸などの初期症状が見られたら、直ちに服用を中止して医療機関を受診してください。

Q. メトグルコで気をつけることは何ですか?

A. 特に気をつけるべきことは以下の点です。

  • シックデイ(食事が摂れない時)は休薬する
  • 過度のアルコール摂取を避ける
  • 脱水状態にならないように水分補給を心がける
  • 副作用が出ても自己判断で服用を中止せず、医師・薬剤師に相談する
  • CT検査などでヨード造影剤を使用する際は、事前に申し出る

Q. メトグルコが中止になった理由は何ですか?

A. メトグルコの服用が中止になる理由は様々です。

  • 下痢などの副作用が続き、服用が困難な場合
  • 腎機能の低下など、安全に服用できなくなった場合
  • 血糖コントロールの状況が変わり、他の薬への変更が適切と判断された場合
  • 過去の自主回収の際に、代替薬に変更された場合

などが考えられます。自己判断ではなく、必ず医師の指示に従ってください。

まとめ:メトグルコの副作用を正しく理解するために

メトグルコは、2型糖尿病治療において非常に効果的で重要な薬です。多くの人は大きな問題なく服用を続けられますが、下痢などの消化器症状や、まれに起こる乳酸アシドーシスといった重い副作用の可能性も知っておく必要があります。

副作用を過度に恐れる必要はありません。大切なのは、どのような症状に注意すべきかを理解し、「いつもと違う」「おかしいな」と感じたら、すぐに医師や薬剤師に相談することです。自己判断で服用を中止するのではなく、専門家と連携しながら、安全に治療を続けていきましょう。


免責事項:
本記事は、メトグルコの副作用に関する一般的な情報を提供するものであり、医学的なアドバイスに代わるものではありません。治療方針や薬の服用については、必ず主治医や薬剤師の指示に従ってください。万が一、本記事の情報を利用した結果何らかの不都合が生じた場合でも、責任を負いかねますのでご了承ください。

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