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糖尿病でも安心!食べていいもの一覧【血糖値をコントロール】

[2025.06.29]

糖尿病の診断を受けたり、血糖値が高めだと指摘されたりすると、「何を食べたら良いのだろう?」
と不安になる方は多いでしょう。食事療法は糖尿病治療の基本であり、血糖値を適切にコントロールするためには、日々の食事が非常に重要になります。しかし、厳しい制限ばかりをイメージしてしまい、何を食べたら良いのか分からなくなってしまうことも少なくありません。

実は、糖尿病でも「食べてはいけないもの」ばかりではなく、「積極的に摂りたいもの」や「選び方・食べ方を工夫すれば大丈夫なもの」がたくさんあります。管理栄養士の視点から、血糖値の上昇を穏やかにする「食べていいもの」を具体的な食品グループ別に一覧でご紹介します。この記事を参考に、無理なく続けられる美味しい食事療法を見つけていきましょう。

血糖値と食事の関係

食事をすると、食べ物に含まれる糖質(炭水化物)が体内でブドウ糖に分解され、血液中に吸収されます。これが血糖値です。健康な人であれば、血糖値が上がると膵臓からインスリンというホルモンが分泌され、ブドウ糖を細胞に取り込ませることで血糖値を正常な範囲に戻します。

しかし、糖尿病ではインスリンの働きが悪くなったり、分泌量が不足したりするため、食後の血糖値が高いまま維持されてしまいます。特に、糖質を多く含む食品を一度にたくさん食べたり、急いで食べたりすると、血糖値が急激に上昇しやすくなります。この血糖値の急激な変動(血糖スパイク)は血管に大きな負担をかけ、糖尿病合併症のリスクを高める原因となります。

食事療法では、この食後の血糖値の上昇をいかに穏やかにするかが鍵となります。そのためには、摂取する糖質の量や質、他の栄養素とのバランス、食べるスピードなどを意識することが重要です。

食事療法の重要なポイント

糖尿病の食事療法を成功させるためには、以下の重要なポイントを理解し、実践することが大切です。

  1. 適正なエネルギー量(カロリー)を守る: 一日の食事で摂るべきエネルギー量は、年齢、性別、体格、活動量によって異なります。医師や管理栄養士から指導された目安量を守ることで、体重管理を行い、インスリンの働きを改善することにつながります。エネルギーの摂りすぎは血糖コントロールを悪化させるだけでなく、肥満の原因にもなります。
  2. 栄養バランスを整える: 炭水化物、たんぱく質、脂質の3大栄養素をバランス良く摂ることが重要です。糖質に偏りすぎず、血糖値の上昇を穏やかにする食物繊維、筋肉や臓器を作るたんぱく質、体の機能を維持する脂質を適切な割合で摂取します。ビタミンやミネラルも不足しないように、様々な食品を組み合わせましょう。
  3. 糖質の量と質を意識する: 血糖値に最も大きく影響するのは糖質です。一回の食事で摂る糖質の量を適正に保ち、さらに血糖値の上昇が緩やかな「質の良い糖質」を選ぶことが大切です。具体的には、精製された白米やパン、砂糖を多く含む食品を避け、食物繊維を豊富に含む全粒穀物や野菜を選ぶことが推奨されます。
  4. 食事を規則正しく摂る: 一日3食、ほぼ同じ時間に食事を摂ることで、血糖値の変動を安定させやすくなります。欠食したり、食事の間隔が開きすぎたりすると、次の食事で血糖値が急上昇しやすくなります。夜遅い時間の食事や間食にも注意が必要です。
  5. 食物繊維を積極的に摂る: 食物繊維は、糖質の吸収を遅らせ、食後の血糖値の急激な上昇を抑える働きがあります。また、満腹感を持続させたり、腸内環境を整えたりする効果もあります。野菜、きのこ、海藻類、豆類、全粒穀物に豊富に含まれています。

これらのポイントを踏まえながら、日々の食事でどのような食品を選べば良いのか、具体的に見ていきましょう。

糖尿病患者さんが「食べていいもの」具体的な食材一覧

糖尿病だからといって、味気ない食事ばかりになるわけではありません。血糖値の上昇を穏やかにし、栄養バランスを整えることに役立つ食品はたくさんあります。ここでは、食品グループ別に具体的に「食べていいもの」を管理栄養士の視点からご紹介します。

主食|選び方のポイントとおすすめ

主食はエネルギー源となる重要な食品ですが、糖質を多く含むため選び方と量が特に大切です。精製されたものよりも、食物繊維を豊富に含む未精製のものを選ぶことで、食後の血糖値上昇を穏やかにすることができます。

玄米・雑穀米

白米に比べて、玄米や雑穀米は食物繊維、ビタミン、ミネラルが豊富です。これらの栄養素が糖質の吸収を緩やかにし、血糖値の急激な上昇を抑えます。また、噛みごたえがあるため、自然と食べるスピードがゆっくりになり、少量でも満腹感を得やすくなります。

  • おすすめポイント: 食物繊維が豊富でGI値が低い。ビタミンB群やミネラルも豊富。
  • 取り入れ方: いつもの白米に混ぜて炊く、玄米ご飯を主食にする。最初は少量から試して、体調に合わせて増やしましょう。

全粒粉パン・ライ麦パン

白いパンは小麦粉の胚芽や外皮を取り除いて作られているため、糖質が素早く吸収されやすい傾向があります。一方、全粒粉パンやライ麦パンは、小麦やライ麦を丸ごと挽いて作られているため、食物繊維やミネラルが豊富です。これらのパンも、食後の血糖値上昇を穏やかにする効果が期待できます。

  • おすすめポイント: 白いパンより食物繊維が多く、GI値が低い傾向。
  • 取り入れ方: 朝食のトーストを全粒粉パンに変える。サンドイッチのパンをライ麦パンにする。ただし、市販のパンには砂糖が多く含まれているものもあるため、原材料表示を確認しましょう。

そば

うどんや白米に比べて、そば(特に十割そばやそば粉の割合が高いもの)はGI値が比較的低く、ルチンなどの機能性成分も含まれています。ルチンには血管を強くする効果などが期待されています。

  • おすすめポイント: GI値が比較的低い。ルチンを含む。
  • 取り入れ方: うどんやラーメンの代わりにそばを選ぶ。ただし、市販のゆでそばはつなぎに小麦粉が多く使われている場合や、そばつゆに糖質が多く含まれている場合があるので注意が必要です。
主食の種類 特徴 血糖値への影響(GI値傾向) おすすめの食べ方/注意点
白米 糖質が多く、吸収が速い 高い 量に注意。食物繊維を一緒に摂る工夫を。
玄米・雑穀米 食物繊維・ビタミン豊富、吸収が緩やか 中程度 白米に混ぜる、主食にする。
食パン(精製) 糖質が多く、吸収が速い 高い 量に注意。バターやジャムは控えめに。
全粒粉パン・ライ麦パン 食物繊維豊富、吸収が緩やか 中程度 原材料を確認。砂糖の少ないものを選ぶ。
うどん 糖質が多く、吸収が速い 高い 汁は飲み干さない。具沢山に。
そば GI値比較的低め、ルチン含む 中程度 そば粉割合が高いものを選ぶ。つゆに注意。
パスタ GI値比較的低め(アルデンテの場合) 中程度 ソースの種類に注意(クリーム系、ミートソースは脂質・糖質が多い)。

野菜・きのこ・海藻類|積極的に摂りたい食物繊維

これらの食品群は、食物繊維、ビタミン、ミネラルが非常に豊富で、エネルギー量が少ないため、糖尿病の食事療法において非常に重要な役割を果たします。「ベジファースト」といって、食事の最初にこれらの食品を食べることで、食後の血糖値上昇を抑える効果が期待できます。

葉物野菜・根菜類

ほうれん草、小松菜、キャベツ、ブロッコリーなどの葉物野菜や、大根、かぶなどの根菜類は、ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富です。特に、葉物野菜はカロリーも非常に低く、量をたくさん食べても血糖値に影響しにくいため、積極的に摂りましょう。根菜類は葉物野菜に比べて糖質がやや多めですが、適量であれば問題ありません。

  • おすすめポイント: 食物繊維、ビタミン、ミネラルが豊富。カロリーが低い。
  • 取り入れ方: 毎食のサラダ、おひたし、炒め物、汁物の具に。加熱することでカサが減り、たくさん摂れます。

きのこ類

しいたけ、エリンギ、まいたけ、しめじなどのきのこ類も、低カロリーで食物繊維が豊富です。血糖値の上昇を抑えるだけでなく、免疫力を高める効果も期待できます。

  • おすすめポイント: 低カロリー、食物繊維が豊富。独特の風味で満足感を得やすい。
  • 取り入れ方: 炒め物、汁物、鍋物、炊き込みご飯の具材に。様々な種類のきのこを使うと栄養バランスも良くなります。

海藻類

わかめ、ひじき、こんぶ、もずくなどの海藻類も、食物繊維(特に水溶性食物繊維)やミネラルが豊富です。水溶性食物繊維は、糖質の吸収をさらに穏やかにする働きがあります。

  • おすすめポイント: 水溶性食物繊維が豊富。ミネラルも豊富。
  • 取り入れ方: 汁物の具、酢の物、サラダ、煮物、和え物に。乾燥わかめやカットわかめなどを常備しておくと便利です。

肉・魚・卵・大豆製品|良質なたんぱく質

これらの食品群は、体の組織を作るたんぱく質の重要な供給源です。たんぱく質は糖質に比べて血糖値への影響が小さく、食事の満足感を高める効果もあります。ただし、脂質の量に注意して選びましょう。

赤身肉・鶏むね肉

牛肉や豚肉の赤身部分、鶏肉のむね肉やささみは、脂肪が少なく良質なたんぱく質を効率よく摂ることができます。鶏肉は皮を取り除くことで大幅に脂質をカットできます。

  • おすすめポイント: 良質なたんぱく質。脂質が少ない。
  • 取り入れ方: 炒め物、煮物、蒸し料理などに。揚げ物や皮付きのまま食べるのは控えめに。

青魚・白身魚

さば、いわし、さんまなどの青魚には、EPAやDHAといった良質な不飽和脂肪酸が豊富に含まれています。これらは血液をサラサラにする効果や、動脈硬化の予防に役立つと言われています。たい、たら、かれいなどの白身魚は、脂質が少なく消化吸収が良い良質なたんぱく質源です。

  • おすすめポイント: たんぱく質豊富。青魚はEPA/DHAを含む。白身魚は低脂質。
  • 取り入れ方: 焼き魚、煮魚、蒸し料理に。刺身もおすすめです。干物や練り製品は塩分が多い場合があるので注意が必要です。

卵は「完全栄養食品」とも呼ばれるほど、様々な栄養素をバランス良く含む食品です。良質なたんぱく質のほか、ビタミンやミネラルも豊富です。かつてはコレステロールを気にして摂取が制限されることもありましたが、最近では過剰な心配は不要と考えられています。ただし、調理法によっては脂質が多くなるため注意が必要です。

  • おすすめポイント: 良質なたんぱく質や様々な栄養素が豊富。
  • 取り入れ方: ゆで卵、卵焼き(油控えめ)、茶碗蒸しなどに。マヨネーズを使った卵料理や、揚げたり多量の油で炒めたりする調理法は避けましょう。

大豆製品(豆腐、納豆など)

豆腐、納豆、枝豆、豆乳などの大豆製品は、植物性たんぱく質の優れた供給源です。食物繊維も豊富で、イソフラボンなど様々な機能性成分も含まれています。血糖値の上昇を穏やかにする効果や、コレステロールを下げる効果も期待できます。

  • おすすめポイント: 植物性たんぱく質、食物繊維が豊富。様々な料理に使える。
  • 取り入れ方: 豆腐は味噌汁や煮物、冷奴に。納豆はご飯にかけて(ご飯の量は控えめに)、または単体で。無調整豆乳を飲む。

果物|適量と選び方

果物にはビタミンやミネラル、食物繊維が含まれており、適量であれば食事療法に取り入れて問題ありません。しかし、果物には果糖という糖質が含まれているため、摂りすぎると血糖値が上昇します。

  • 適量: 一日の摂取目安量は、一般的に片手いっぱい程度と言われています。個々のエネルギー摂取目標量によって異なりますので、医師や管理栄養士に確認しましょう。
  • 選び方: 食物繊維が豊富な皮ごと食べられるもの(リンゴ、ブドウなど)や、GI値が比較的低いもの(イチゴ、キウイ、グレープフルーツなど)を選ぶのがおすすめです。
  • 注意点: ジュースや缶詰の果物は、加工の過程で食物繊維が失われたり、砂糖が多く加えられたりしているため、避けるのが望ましいです。ドライフルーツも糖分が凝縮されているため少量にしましょう。食べるタイミングは、食後のデザートとして少量にするか、間食として食べる場合は血糖値への影響を考慮して選びましょう。

乳製品・種実類|注意点とおすすめ

これらの食品群も栄養豊富ですが、選び方や量に注意が必要です。

乳製品

牛乳、ヨーグルト、チーズなどの乳製品は、カルシウムや良質なたんぱく質を含みます。ただし、種類によっては脂質や糖質が多いものもあるため注意が必要です。

  • おすすめポイント: カルシウム、たんぱく質源。
  • 取り入れ方:
    • 牛乳: 低脂肪乳や無脂肪乳を選ぶと脂質をカットできます。一日の摂取目安量はコップ1杯程度が目安です。
    • ヨーグルト: 砂糖の入っていない無糖ヨーグルトを選びましょう。フルーツやはちみつを加える場合は少量に。プロバイオティクスを含むものは腸内環境改善にも役立ちます。
    • チーズ: ナチュラルチーズは比較的糖質が少ないですが、種類によっては脂質が多いものもあります。プロセスチーズは添加物に注意しましょう。適量を間食として摂るのも良いでしょう。

種実類(ナッツ類)

アーモンド、くるみ、カシューナッツなどのナッツ類は、良質な不飽和脂肪酸、食物繊維、ビタミン、ミネラルを含んでいます。血糖値の上昇を抑える効果や、心血管疾患のリスクを減らす効果も期待されています。

  • おすすめポイント: 良質な脂質、食物繊維、ビタミン、ミネラルが豊富。満腹感を得やすい。
  • 取り入れ方: 無塩・素焼きのものを選び、一日に片手一杯程度を目安にしましょう。カロリーが高いので食べ過ぎには注意が必要です。砂糖や油でコーティングされたものは避けましょう。

糖尿病患者さんが「食べてはいけないもの」一覧(注意が必要なもの)

「食べてはいけない」と断言するのではなく、「摂りすぎに注意が必要なもの」「頻繁に食べるのは避けたいもの」として理解することが大切です。これらの食品は、血糖値を急激に上昇させたり、肥満の原因になったりするため、できるだけ控えるか、ごく少量に留める必要があります。

糖質が多く含まれる食品

  • 白砂糖やそれに近い糖類: 砂糖、果糖ぶどう糖液糖、ブドウ糖、水あめなど。これらは急速に吸収され、血糖値を急上昇させます。
  • 砂糖を多く使った食品: ケーキ、クッキー、チョコレート、和菓子(饅頭、ようかんなど)、アイスクリーム。
  • 清涼飲料水、ジュース: 特に加糖タイプは大量の糖分を含み、食物繊維がないため血糖値を急激に上げます。スポーツドリンクやエナジードリンクも注意が必要です。
  • 菓子パン、惣菜パン: 砂糖やバターが多量に使われており、高糖質・高脂質です。
  • もち、だんご: 炭水化物の塊で、消化吸収が速く血糖値が急上昇しやすいです。
  • 乾燥芋、干し柿などのドライフルーツ: 水分が抜けて糖分が凝縮されています。

脂質の多い食品・高カロリーな食品

  • 揚げ物: 天ぷら、フライ、唐揚げなど。衣が油を吸いやすく、高カロリー・高脂質になります。
  • 肉の脂身、鶏肉の皮: 飽和脂肪酸が多く含まれており、摂りすぎは動脈硬化のリスクを高めます。
  • バター、生クリーム、ラードなどの動物性脂肪: 飽和脂肪酸が多いです。
  • マヨネーズ、ドレッシング: 脂質が多いものが多いです。ノンオイルタイプを選ぶか、少量にしましょう。
  • インスタント食品、スナック菓子、ファストフード: 糖質、脂質、塩分が多く、栄養バランスも偏りがちです。

甘い飲み物・お菓子

前述の糖質の多い食品や脂質の多い食品にも含まれますが、特に習慣的に摂取しやすいものとして改めて注意が必要です。

  • 缶コーヒー、加糖紅茶、ジュース、炭酸飲料: 隠れた糖分が多く、気づかないうちに大量に摂取しがちです。
  • 市販のアイスクリーム、シャーベット: 砂糖が多く使われています。
  • スナック菓子、ポテトチップス: 糖質と脂質が多く、少量でも高カロリーになりやすいです。
  • 菓子パン、ドーナツ: 砂糖や油が多く使われています。

これらの食品を完全にゼロにする必要はありませんが、食べる頻度や量を大幅に減らし、代わりに血糖値への影響が少ない食品を選ぶように心がけることが、血糖コントロールには非常に重要です。

血糖値上昇を抑える食事の工夫

何を食べるかだけでなく、「どのように食べるか」も血糖値のコントロールには大きな影響を与えます。日々の食事に取り入れられる簡単な工夫をご紹介します。

食べる順番の重要性(ベジファースト)

「ベジファースト」とは、食事の最初に野菜やきのこ、海藻類といった食物繊維が豊富な食品を食べる方法です。

  • なぜ効果があるのか: 食物繊維が胃の中で水分を含んで膨らみ、後から食べる糖質の吸収を遅らせる働きがあります。これにより、食後の血糖値の急激な上昇を抑えることができます。また、満腹感を得やすくなるため、その後に食べる主食などの量を自然と減らすことにもつながります。
  • 具体的な実践方法:
    1. まず、サラダ、おひたし、野菜の煮物、きのこのソテー、海藻サラダなどを最初に食べます。
    2. 次に、肉や魚、卵、大豆製品といったたんぱく質のおかずを食べます。
    3. 最後に、ご飯やパン、麺類といった主食を食べます。

この順番を意識するだけで、食後の血糖値の上昇をかなり抑えることが期待できます。汁物を最初に飲むのも、胃を落ち着かせ、満足感を得るのに役立ちます。

よく噛むこと、ゆっくり食べること

早食いは、血糖値が急激に上昇しやすいだけでなく、満腹感を感じる前に食べ過ぎてしまう原因にもなります。一口ごとに箸を置いて、意識的に「よく噛んで」「ゆっくりと」食べることを心がけましょう。

  • なぜ効果があるのか: よく噛むことで、食べ物が細かくなり消化吸収が緩やかになります。また、脳の満腹中枢が刺激され、少量でも満腹感を感じやすくなります。ゆっくり食べることで、食事の満足度も高まります。
  • 具体的な実践方法:
    • 一口ごとに30回噛むことを意識する。
    • 家族や友人と会話しながら楽しく食事をする。
    • テレビやスマートフォンを見ながらの「ながら食い」をやめる。
    • タイマーを使って、最低でも食事に20分以上かけるようにする。

適正な食事量とバランス

一日の食事で摂るべきエネルギー量を守り、糖質、たんぱく質、脂質のバランスを整えることが基本です。極端な糖質制限や脂質制限は、必要な栄養素が不足したり、反動で食べ過ぎたりする原因になることがあります。

  • バランスの目安:
    • 糖質: エネルギー全体の50〜60%程度(個々の病状や指導による)。
    • たんぱく質: エネルギー全体の15〜20%程度。
    • 脂質: エネルギー全体の20〜25%程度。

具体的にどれくらいの量を食べたら良いかは、食品交換表などを参考にすると分かりやすいです。食品交換表では、同じエネルギー量や栄養素を含む食品をグループ分けしており、主食ならご飯何グラムが食パン何枚に相当するかなどが示されています。この表を活用することで、飽きずに様々な食品を組み合わせながら、適正な量を守ることができます。詳細については、管理栄養士に相談することをおすすめします。

糖尿病でも安心なおやつ・間食の選び方

間食は、食事と食事の間にお腹が空いたときや、気分転換に食べたくなるものですが、選び方を間違えると血糖値が急上昇する原因になります。糖尿病でも上手に間食を取り入れるためには、血糖値が上がりにくいものを選ぶことが大切です。

血糖値が上がりにくい間食とは

血糖値が上がりにくい間食の特徴は以下の通りです。

  • 糖質が少ない、または含まれていない: 砂糖を多く含むお菓子や飲み物は避けましょう。
  • 食物繊維やたんぱく質を含む: これらは糖質の吸収を穏やかにする働きがあります。
  • 少量でも満足感がある: 食べ過ぎを防ぐために重要です。
  • エネルギー量が適切: 一日の総エネルギー量を超えない範囲で取り入れます。

おすすめの間食例

上記の特徴を満たす、糖尿病患者さんにおすすめの間食をご紹介します。

  • 無糖ヨーグルト: たんぱく質とカルシウムが豊富で、糖質は控えめです。腸内環境を整える効果も期待できます。フルーツを加える場合は少量にしましょう。
  • 素焼きナッツ: 良質な脂質、食物繊維、ミネラルが豊富です。噛みごたえがあり、少量でも満足感があります。塩分や油で味付けされていないものを選びましょう。一日に片手一杯程度が目安です。
  • 野菜スティック: 生の野菜は食物繊維が豊富で、カロリーも非常に低いです。マヨネーズではなく、ノンオイルドレッシングや味噌、少量のごまなどをつけても良いでしょう。
  • チーズ: たんぱく質とカルシウムが豊富で、糖質はほとんど含まれていません。種類によっては脂質が多いので、適量を守りましょう。
  • ゆで卵: 良質なたんぱく質の塊です。腹持ちも良く、血糖値への影響も小さいです。
  • するめ、酢昆布: 噛みごたえがあり、満足感を得やすいです。ただし、塩分の摂りすぎには注意が必要です。
  • 寒天ゼリー: 砂糖を使用せず、食物繊維豊富な寒天で作られたゼリーは、カロリーも低くおすすめです。市販のものは砂糖が多く含まれている場合があるので、手作りするか原材料表示を確認しましょう。

間食を摂るタイミングは、次の食事まで時間が空くときや、血糖値が下がりすぎるときなどが適しています。夜寝る前の間食は血糖コントロールを乱しやすいため、できるだけ避けましょう。

まとめ|継続できる食事療法で健康な毎日を

糖尿病の食事療法は、一時的なものではなく、日々の生活の中で継続していくことが大切です。「食べてはいけないもの」に囚われすぎず、「食べていいもの」を賢く選び、食事の工夫を取り入れることで、美味しく楽しく血糖コントロールを目指すことが可能です。

この記事でご紹介した「食べていいもの」を参考に、ぜひ毎日の食卓に取り入れてみてください。

  • 主食はGI値の低いものを中心に: 玄米、雑穀米、全粒粉パン、そばなどがおすすめです。
  • 野菜、きのこ、海藻類を積極的に: 食物繊維やビタミン、ミネラルをたっぷり摂りましょう。食事の最初に食べる「ベジファースト」を習慣に。
  • たんぱく質は良質なものを: 赤身肉、鶏むね肉(皮なし)、魚、卵、大豆製品などをバランス良く。
  • 果物や乳製品、ナッツ類は適量を守り、賢く選ぶ: 種類や量、加工品に注意が必要です。
  • 血糖値が急上昇しやすい食品は控えめに: 砂糖、甘い飲み物、脂質の多い食品などは「注意が必要なもの」として認識し、頻度や量を調整しましょう。
  • 食べる順番、よく噛む、ゆっくり食べるなど、食べ方を工夫する。
  • 間食は血糖値が上がりにくいものを選び、適量を楽しむ。

食事療法は、糖尿病と向き合い、健康的な生活を送るための強力な味方です。しかし、一人で抱え込まず、医師や管理栄養士などの専門家と相談しながら進めることが最も重要です。個々の病状やライフスタイルに合わせた具体的なアドバイスをもらうことで、より効果的で継続しやすい食事療法を実践できるでしょう。

この記事が、糖尿病患者さんの「何を食べたら良い?」という疑問を解消し、日々の食事を楽しむきっかけになれば幸いです。無理なく、楽しく、美味しく、健康な毎日を送りましょう。


免責事項
この記事は一般的な情報提供を目的としており、医師や管理栄養士による個別の医学的アドバイスや食事指導に代わるものではありません。糖尿病の食事療法については、必ず主治医や管理栄養士にご相談の上、指示に従ってください。

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