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【看護師必見】糖尿病の観察項目まとめ|アセスメントの視点も

[2025.06.29]

糖尿病患者さんの看護において、日々の観察は非常に重要です。
病状の把握、治療効果の評価、合併症の早期発見、そして患者さんの生活の質向上には欠かせません。
特に看護師は、患者さんと最も密接に関わる存在として、多角的な視点から注意深く観察を行う必要があります。
本記事では、糖尿病患者さんの日々のケアに必要な観察項目を網羅的に解説し、観察結果をどのように看護アセスメントや計画に繋げるかについても詳しくご紹介します。
日々の看護実践にお役立てください。

糖尿病患者さんの観察が重要な理由

糖尿病は、インスリン作用の不足によって慢性的な高血糖状態が続く疾患です。
この高血糖状態が長期間持続すると、全身の血管や神経に障害が起こり、様々な合併症を引き起こします。
糖尿病の病態は患者さん一人ひとり異なり、年齢、罹病期間、血糖コントロールの状態、合併症の有無、生活習慣、心理状態などが複雑に影響し合います。

看護師による日々の丁寧な観察は、糖尿病患者さんの状態を正確に把握するために不可欠です。
適切な観察を行うことで、以下のようなメリットが得られます。

  • 病状の早期発見と評価: 血糖値の変動パターンや自覚症状の変化から、病状の悪化や急変の兆候を早期に察知できます。
  • 治療効果の評価: 薬物療法、食事療法、運動療法などの治療が効果的に行われているか、問題点はないかを評価できます。
  • 合併症の予防・早期発見: 糖尿病特有の合併症(神経障害、網膜症、腎症、心血管疾患、足病変など)の兆候を早期に見つけ出し、重症化を予防するための介入が可能です。
  • 急性合併症への対応: 低血糖や高血糖(糖尿病ケトアシドーシス、高浸透圧高血糖症候群)といった緊急性の高い状態のリスクを評価し、迅速かつ適切な対応に繋げます。
  • 個別的な看護ケアの提供: 患者さんの自己管理能力、療養に対する理解度、抱えている問題やニーズを把握し、その人に合った個別的な看護計画を立案・実施できます。
  • 患者さんのQOL向上: 身体的な問題だけでなく、糖尿病に伴う心理的な負担や生活上の困難さも観察し、患者さんのQOL維持・向上を支援します。

看護師は、医師の診断や治療方針に基づきながらも、患者さんの日常生活や体調の変化を最も身近で捉えることができます。
観察は、患者さんの安全を守り、質の高い糖尿病看護を提供する上での基礎となる活動です。

糖尿病の基本的な観察項目一覧

糖尿病患者さんの観察項目は非常に多岐にわたります。
日々の看護で重点的に観察すべき基本的な項目を以下に示します。
これらの項目を継続的に、多角的な視点から観察することで、患者さんの全体像を把握することができます。

分類 主な観察項目
全身状態 体温、脈拍、呼吸、血圧、体重、意識レベル、顔色、皮膚の状態、全身倦怠感の有無など
自覚症状 多飲、多尿、口渇、全身倦怠感、易疲労感、体重変化(増減)、視力低下、目のかすみ、皮膚のかゆみ、乾燥、手足のしびれ、痛み、冷感など
検査データ 血糖値(随時、空腹時、食後)、HbA1c、尿糖、尿ケトン、尿蛋白、クレアチニン、eGFR、脂質値(LDL-C, HDL-C, TG)など
治療状況 服薬状況(内服薬、インスリン注射の種類、量、時間、手技、遵守状況)、食事摂取量・内容、運動習慣、活動量、自己管理行動、療養への理解度
糖尿病合併症 神経障害の症状、網膜症の症状、腎症の症状、動脈硬化症の症状(胸痛、間欠性跛行など)、足病変の有無と状態
急性合併症リスク 低血糖の症状と出現状況、高血糖の症状(シックデイ含む)、脱水の兆候

次項からは、これらの基本的な観察項目について、より詳細な観察ポイントやアセスメントの視点を解説します。

全身状態・バイタルサインの観察

全身状態やバイタルサインは、患者さんの全身の生理的な状態を反映する重要な指標です。
糖尿病患者さんでは、血糖コントロールの状態や合併症の有無によって、これらの値が変動することがあります。

体温

体温は感染の有無を示す重要なサインです。
糖尿病患者さんは免疫機能が低下しやすく、感染症(尿路感染症、呼吸器感染症、皮膚感染症など)を起こしやすい傾向にあります。

  • 観察ポイント: 定期的な体温測定。
    特に発熱を訴える場合や、シックデイなど体調不良時には注意深く測定します。
    体温の高さだけでなく、熱型(持続熱、間欠熱など)も観察します。
    創傷がある場合は、局所の発赤、腫脹、熱感、疼痛といった炎症兆候の有無も確認します。
  • アセスメント: 体温の上昇は感染症を強く疑います。
    体温が低い場合でも、高齢者や免疫抑制状態の患者さんでは、重症感染が見逃されることがあるため注意が必要です。
    シックデイ時には脱水や代謝の変動により体温調節が不安定になることがあります。
    発熱の原因を探求し、必要に応じて検査や治療への介入を促します。

脈拍・呼吸

脈拍と呼吸は循環および呼吸器系の状態を示します。
糖尿病の合併症や急性代謝失調によって異常が見られることがあります。

  • 観察ポイント: 脈拍数(通常60-100回/分)、リズム(整か不整か)、強さ。
    呼吸数(通常12-20回/分)、リズム(規則的か不規則か)、深さ(浅いか深いか)。
    呼吸困難感の有無。
  • アセスメント: 頻脈は脱水、感染、疼痛、低血糖、心疾患などを原因として起こり得ます。
    徐脈は薬剤の影響や心疾患を示唆することがあります。
    不整脈は糖尿病性心筋症や冠動脈疾患など、心血管系の合併症を示唆する重要なサインです。
    呼吸に関しては、速く浅い呼吸は疼痛や不安、肺炎などを、深く速い呼吸(クスマウル呼吸)は糖尿病ケトアシドーシスによる代償性過換気を示唆する緊急性の高いサインです。
    呼吸困難感は心不全や呼吸器感染を疑います。

血圧

血圧は循環状態の指標であるとともに、高血圧は糖尿病の主要な合併症であり、心血管疾患リスクを著しく高めます。

  • 観察ポイント: 定期的な血圧測定。
    可能であれば、座位や臥位に加え、立位での血圧測定(起立性低血圧の確認)も行います。
    血圧値だけでなく、脈圧(収縮期血圧と拡張期血圧の差)の広がりも動脈硬化の指標となります。
  • アセスメント: 高血圧は腎症や網膜症といった微小血管合併症の進行因子でもあります。
    目標血圧(一般的に130/80mmHg未満が目安ですが、個々の患者さんで異なります)と比較し、コントロール状況を評価します。
    起立性低血圧(立位で収縮期血圧が20mmHg以上、または拡張期血圧が10mmHg以上低下)は糖尿病性自律神経障害の症状として現れることがあり、めまいやふらつきによる転倒リスクを高めます。
    低血糖時にも血圧が変動することがあります。
    血圧が高い場合は、降圧薬の服用状況、塩分摂取量、体重などを総合的に評価します。

体重

体重の変化は、血糖コントロール、栄養状態、水分バランス、代謝の状態を反映します。

  • 観察ポイント: 定期的な(例えば週1回)体重測定。
    短期間での急激な体重変化(数日で数kgの変動など)の有無。
    患者さんが感じる体重の変化。
  • アセスメント: 血糖コントロールが不良な状態(インスリン不足)では、糖をエネルギーとして利用できず、にも関わらず尿糖として糖が排泄されるため、体重減少が見られることがあります。
    逆に、血糖コントロールが改善し始めると、エネルギー利用効率が回復し、体重が増加する場合があります。
    急速な体重増加は、浮腫を伴う心不全や腎機能悪化を示唆する可能性があり注意が必要です。
    食事摂取量や活動量、浮腫の有無と関連付けてアセスメントを行います。

意識レベル

血糖値の異常(特に低血糖や重症高血糖)は、中枢神経系に影響を及ぼし、意識レベルの変動を引き起こすことがあります。

  • 観察ポイント: 患者さんの意識レベルを客観的に評価します(例: Japan Coma Scale(JCS)やGlasgow Coma Scale(GCS)など)。
    呼びかけへの反応、言動の適切さ、見当識(時間、場所、人物の認識)の有無。
    普段の様子との比較。
  • アセスメント: 意識レベルの低下は、重症低血糖、糖尿病ケトアシドーシス、高浸透圧高血糖症候群、脳血管障害、感染症など、緊急性の高い状態を示唆します。
    特に血糖値が大きく変動している可能性がある場合(薬物療法中、シックデイ、食事摂取不良など)は、意識レベルの変化に十分注意し、速やかに血糖測定を含めた対応が必要です。
    患者さんの訴えや反応が普段と違うと感じた場合は、早期に評価を行います。

自覚症状の観察ポイント

患者さんが自覚する症状は、病状の変化や合併症の出現を示す重要な情報源です。
自覚症状は客観的なデータとして捉えにくいこともありますが、患者さんの訴えを丁寧に傾聴し、いつから、どのように、どの程度出現しているのかを詳しく問診することが重要です。

多飲・多尿・口渇

これらは、高血糖による浸透圧利尿に関連する典型的な症状です。
血糖値が腎臓の閾値(おおよそ160〜180mg/dL)を超えると、尿中に糖が排泄され、水分を伴って体外へ出ていきます。

  • 観察ポイント: 1日にどのくらいの水分を摂取しているか(多飲)。
    トイレに行く回数や1回の尿量、特に夜間尿の増加の有無(多尿)。
    口や喉の乾きを感じる程度、頻度、いつ強く感じるか(口渇)。
  • アセスメント: これらの症状の出現や悪化は、血糖コントロール不良を示唆します。
    水分摂取量が極端に多い場合は、電解質バランスの乱れも考慮が必要です。
    尿量増加に伴う脱水の兆候(皮膚の乾燥、ツルゴール低下、倦怠感など)も合わせて確認します。
    急な多飲・多尿は、インスリン作用の急激な不足による高血糖を示唆する場合があり、注意深い観察が必要です。

全身倦怠感・易疲労感

高血糖が続くと、細胞が糖を効率的にエネルギーとして利用できなくなるため、全身倦怠感や疲れやすさを感じやすくなります。
また、合併症や併存疾患によっても生じます。

  • 観察ポイント: 倦怠感や疲労感の程度(どのくらいつらいか)、いつから始まったか、どのような時に強く感じるか(安静時、労作時)、休息で回復するか。
  • アセスメント: 倦怠感は血糖コントロール不良のサインとして重要ですが、腎性貧血、心不全、感染症、甲状腺機能異常、睡眠不足、心理的な問題など、様々な原因で起こり得ます。
    血糖値やHbA1cの値、貧血の有無(Hb値)、心機能評価、感染兆候などを総合的に評価し、原因を特定します。
    倦怠感が強い場合は、活動能力の低下にも繋がるため、日常生活への影響もアセスメントします。

体重の変化

自覚的な体重の変化は、客観的な体重測定と合わせて確認することで、病状の変化をより正確に捉えることができます。

  • 観察ポイント: 患者さんが「痩せた」「太った」と感じるか。
    いつ頃から、どのくらい体重が変化したと感じているか。
    食事量や活動量の変化と関連があるか。
  • アセスメント: 意図しない体重減少は、血糖コントロールの悪化、インスリン不足、悪性腫瘍、消化器疾患などを疑います。
    特に急激な体重減少は注意が必要です。
    血糖コントロールが改善すると、体重が増加傾向になることがありますが、これは良いサインである場合も、過食による体重増加である場合もあります。
    患者さんの主観的な訴えと客観的な体重測定値を照らし合わせ、原因を深掘りします。

視力低下・目のかすみ

これらは糖尿病性網膜症の症状である可能性があります。
網膜症は進行するまで自覚症状がないことが多いですが、変化が現れた場合は要注意です。

  • 観察ポイント: 視界がかすむ、見えにくい、物が歪んで見える、視界に黒い点や糸くずのようなものが見える(飛蚊症)、視力低下、視野の一部が欠ける、といった症状の有無と変化。
    片目か両目か。
    いつから始まったか。
  • アセスメント: これらの症状は、網膜症の進行や網膜出血、硝子体出血、網膜剥離などを示唆する可能性があります。
    特に急激な症状の変化は、緊急性の高い状態を示唆するため、速やかに眼科受診の必要性を判断し、医師に報告します。
    定期的な眼科受診の遵守状況も確認し、患者さんに網膜症の重要性と早期発見の必要性を指導します。
    視力低下が進むと、インスリンの自己注射や自己血糖測定など、自己管理行動に支障をきたすため、支援方法を検討する必要があります。

皮膚の乾燥・かゆみ

高血糖による脱水や、糖尿病性神経障害による汗腺機能の低下、皮膚感染症、腎機能低下などが原因となることがあります。

  • 観察ポイント: 全身または特定の部位(特に下肢)の皮膚の乾燥の程度、ひび割れ、落屑(フケのようなもの)の有無。
    かゆみの有無、程度、掻き傷の有無。
    皮膚の色や温度の変化。
  • アセスメント: 皮膚の乾燥やかゆみは、バリア機能の低下を招き、感染のリスクを高めます。
    掻き傷があると、そこから細菌が侵入し、感染が広がる可能性があります。
    特に足の皮膚は、神経障害による感覚低下があると傷に気づきにくいため、毎日丁寧に観察することが重要です。
    保湿ケアの必要性や、白癬(水虫)などの感染の有無を確認し、適切なケアや受診勧奨に繋げます。
    腎症による尿毒症性掻痒の可能性も考慮します。

手足のしびれ・冷感

これらは糖尿病性神経障害(末梢神経障害)の典型的な症状です。

  • 観察ポイント: しびれや冷感を感じる部位(特に足先や手先など、手袋・靴下型が多い)、症状の性質(ピリピリ、ジンジン、チクチク)、程度、出現パターン(安静時や夜間に悪化しやすいか)。
    痛みの有無(神経痛)。
    感覚の低下(触られる感覚、熱い・冷たい感覚、痛み、振動を感じる感覚)の有無。
  • アセスメント: これらの症状は、神経障害の進行を示唆します。
    特に感覚低下は、熱傷、低温やけど、小さな傷、靴擦れなどに気づきにくくなり、足病変のリスクを著しく高めます。
    痛み(神経痛)が強い場合は、日常生活に大きな支障をきたすため、痛みの評価(VASなど)と鎮痛薬によるコントロールが必要です。
    神経学的検査(アキレス腱反射、振動覚、モノフィラメントテストなど)の結果と合わせて、神経障害の程度を評価し、患者さんに足のセルフケアの重要性を指導します。

検査データの観察と評価

血液検査や尿検査のデータは、糖尿病の診断や病状の把握、治療効果の評価、合併症の管理に不可欠な客観的情報です。
これらのデータを適切に観察し、臨床所見と関連付けて解釈することが重要です。

血糖値・HbA1c

血糖値はその時点の血糖値を、HbA1cは過去1〜2ヶ月間の平均的な血糖コントロール状態を示します。

  • 観察ポイント: 随時血糖値、空腹時血糖値、食後血糖値(食後1時間、2時間など)、就寝前血糖値、早朝空腹時血糖値。
    自己血糖測定(SMBG)の結果の推移。
    HbA1cの値と過去からの推移。
  • アセスメント:
    • 血糖値: 高値はコントロール不良、低値は低血糖を示唆します。
      血糖値の測定タイミングによって得られる情報が異なります。
      空腹時血糖は基礎インスリンの効果や前夜の血糖状態を、食後血糖は食事内容や速効型インスリンの効果を反映します。
      SMBGの結果から、1日の血糖変動パターン(特に高くなる時間帯、低くなる時間帯)を把握し、薬剤の調整や食事・運動指導に活かします。
      シックデイなど体調不良時は、血糖値が急激に変動する可能性があるため、より頻回な測定と注意深い観察が必要です。
    • HbA1c: 血糖コントロールの長期的な目標達成度を評価する上で最も重要な指標です。
      目標値(日本糖尿病学会では合併症予防のために7.0%未満、高齢者などでは年齢や併存疾患に応じて個別設定)と比較し、コントロールの状況を評価します。
      HbA1cは過去の平均値であるため、測定直前の短期間の血糖変動や、頻回に起こる低血糖は見逃される可能性があることに留意が必要です。
  • 参考基準値(一般例):
    • 正常型:空腹時血糖値 < 100 mg/dL かつ 75gOGTT2時間値 < 140 mg/dL
    • 境界型:空腹時血糖値 100-125 mg/dL または 75gOGTT2時間値 140-199 mg/dL
    • 糖尿病型:空腹時血糖値 ≥ 126 mg/dL または 75gOGTT2時間値 ≥ 200 mg/dL または 随時血糖値 ≥ 200 mg/dL または HbA1c ≥ 6.5%
    • HbA1c目標値(一般例):良好<7.0%、合併症予防のための目標<7.0%、高齢者での目標は個別設定(例: 7.0未満, 8.0未満)

これらの基準値や目標値は、個々の患者さんの状態や治療目標、使用する検査方法、診療ガイドラインによって異なる場合があるため、常に最新の情報や主治医の指示を確認することが重要です。

尿糖・尿ケトン

尿糖は血糖値が腎閾値を超えた場合に尿中に排泄されます。
尿ケトンはインスリン作用が著しく不足し、脂肪が分解されてエネルギー源として利用される際に産生される物質です。

  • 観察ポイント: 尿糖の定性または定量検査結果(+、++、+++など)。
    尿ケトンの定性または定量検査結果。
  • アセスメント:
    • 尿糖: 尿糖陽性は高血糖を示唆しますが、腎閾値には個人差があるため、血糖値と必ずしも一致しないことがあります(例: 腎性尿糖)。
      尿糖のみで血糖コントロールを評価せず、必ず血糖値と合わせて評価します。
      尿糖陽性は、血糖コントロール不良が続いていることを示唆します。
    • 尿ケトン: 尿ケトンが陽性(特に強陽性)であることは、インスリン作用が不足しており、脂肪が分解されていることを示唆します。
      血糖値が高い状態で尿ケトン陽性であれば、糖尿病ケトアシドーシスに進展するリスクが高く、緊急性の高い状態です。
      特にシックデイ時には必ず尿ケトンの有無を確認し、陽性であれば速やかに医療機関に連絡・受診を促す必要があります。

腎機能(クレアチニン、eGFR、尿蛋白)

糖尿病性腎症の進行を評価するための重要な指標です。

  • 観察ポイント: 血清クレアチニン値、eGFR(推算糸球体濾過量)、尿中アルブミン(微量アルブミン尿)、尿蛋白(定性、定量)。
    これらの値の過去からの推移。
  • アセスメント:
    • クレアチニン・eGFR: 腎機能が低下すると血清クレアチニン値は上昇し、eGFRは低下します。
      eGFRは腎臓の濾過能力を示す指標であり、糖尿病性腎症の病期分類に用いられます(G1〜G5期)。
      eGFRが低下すると、腎排泄性の薬剤の体内蓄積や、高カリウム血症などの電解質異常リスクが高まります。
      eGFRが進行した場合は、透析導入の検討が必要となります。
    • 尿蛋白: 尿中にアルブミンや蛋白が検出されることは、腎臓のフィルター機能が障害されていることを示唆します。
      微量アルブミン尿は腎症の比較的早期のサインであり、早期の介入によって腎症の進行を遅らせることが可能です。
      尿蛋白定量値は腎症の重症度を評価する上で重要です。
      尿蛋白の増加は、腎症の進行を示唆し、食事療法(蛋白質制限、塩分制限)や薬剤調整の必要性を検討します。

脂質異常(LDL-C, HDL-C, TG)

糖尿病患者さんでは脂質異常症を高頻度に合併し、動脈硬化症による心血管疾患(狭心症、心筋梗塞)や脳血管障害(脳梗塞など)のリスクが著しく高まります。

  • 観察ポイント: LDLコレステロール(悪玉コレステロール)、HDLコレステロール(善玉コレステロール)、トリグリセライド(中性脂肪)の値。
  • アセスメント: LDL-C高値、HDL-C低値、TG高値は、動脈硬化を促進する危険因子です。
    これらの値が目標範囲にあるかを確認し、逸脱している場合は、食事療法(飽和脂肪酸、コレステロール、糖質の制限など)、運動療法、薬物療法(スタチンなど)による介入が必要となります。
    血糖コントロールの状態も脂質値に影響を与えるため、合わせて評価します。
    患者さんの食事内容や運動習慣、内服薬の遵守状況などを確認し、脂質管理に向けた具体的な指導を行います。

治療状況(薬物療法・食事療法・運動療法)の観察

糖尿病治療の3本柱である薬物療法、食事療法、運動療法が適切に実施されているか、患者さんが自己管理できているかを観察することは、血糖コントロールの改善と合併症予防に不可欠です。

内服薬・インスリン注射の使用状況

処方された薬剤の種類、用量、タイミングを患者さんが正しく理解し、遵守できているかを観察します。

  • 観察ポイント: 患者さんが飲んでいる/打っている薬の名前(一般名、商品名)、色、形、用量、回数、時間帯。
    飲み忘れ、打ち忘れ、過剰摂取(過量投与)の有無と頻度。
    インスリンの種類(速効型、超速効型、混合型、持効型など)、単位数、注射器の種類(ペン型、バイアルなど)、注射部位(腹部、大腿、上腕など)、注射手技(消毒、穿刺角度、注入速度、抜針タイミング、注射部位のローテーション)。
    薬剤の保管状況(インスリンの冷蔵保存など)。
    副作用(低血糖、消化器症状、体重変化など)の有無と程度。
  • アセスメント: 薬剤の不遵守は血糖コントロール不良の大きな原因となります。
    患者さんが薬剤の目的や効果、副作用、正しい使用方法を理解しているかを確認します。
    内服薬の飲み忘れが多い場合は、服薬カレンダーやアラームの使用を提案するなどの工夫を検討します。
    インスリン注射を行っている患者さんでは、特に正しい手技が重要です。
    注射部位の選択ミスやローテーションの不備は、インスリンの吸収不良や皮膚トラブル(脂肪萎縮、脂肪肥大)を引き起こす可能性があります。
    自己管理能力の評価や、手技が不確実な点があれば具体的に指導・援助を行います。
    副作用が出ている場合は、症状の詳細を把握し医師に報告します。

食事摂取状況・栄養バランス

食事療法は血糖コントロールに最も大きな影響を与える要素の一つです。
患者さんの日々の食事内容や摂取量を詳細に観察します。

  • 観察ポイント: 1日の食事回数、食事時間、特に規則性があるか。
    各食事での主食(ご飯、パン、麺)、主菜(肉、魚、卵、大豆製品)、副菜(野菜、きのこ、海藻)の量とバランス。
    間食や甘い飲み物(ジュース、清涼飲料水)の摂取頻度と量。
    外食、加工食品、コンビニ食の利用頻度。
    食事記録をつけてもらっている場合はその内容確認。
    食欲不振、過食、偏食の有無。
  • アセスメント: 患者さんの食事内容が、指示された食事療法(例えば、適正エネルギー量、栄養バランス、カーボカウントなど)に沿っているか評価します。
    炭水化物の過剰摂取、脂質の多い食事、不規則な食事時間は血糖値の大きな変動を招きます。
    特に食後高血糖は合併症リスクを高めるため、食後血糖値の変動と食事内容を関連付けて評価します。
    患者さんが食事療法をどの程度理解し、実践できているか、また経済的な問題や家族の協力、調理スキルなど、食事療法を続ける上での困難さがないか把握します。
    必要に応じて管理栄養士による栄養指導への繋ぎ役となります。

運動習慣・活動量

運動療法は、インスリン感受性を高め、血糖コントロールを改善し、心血管疾患リスクを軽減する効果があります。
患者さんの運動習慣や日々の活動量を観察します。

  • 観察ポイント: 普段の生活における活動量(通勤、仕事、家事、趣味など)。
    定期的な運動の有無、運動の種類(有酸素運動、筋力トレーニングなど)、頻度(週に何回)、1回の時間、強度(楽、ややきついなど)。
    運動中の自覚症状(息切れ、胸痛、動悸、しびれ、痛み)の有無。
    運動による低血糖の経験。
  • アセスメント: 推奨される運動量(一般的に、ややきついと感じる有酸素運動を週に150分以上など)と比較し、患者さんの運動習慣を評価します。
    運動の種類や強度、時間帯が患者さんの状態に適しているかを確認します。
    例えば、末梢神経障害や足病変のある患者さんには、足に負担のかかる運動(ランニングなど)は避けるよう指導します。
    インスリン治療中や特定の経口薬(SU薬など)を服用している患者さんでは、運動による低血糖リスクが高いため、運動前後の血糖測定や補食に関する指導が重要です。
    運動中の胸痛や息切れは、虚血性心疾患などの合併症を示唆するサインである可能性があり、注意深い観察と医師への報告が必要です。
    運動習慣がない患者さんには、日常生活で活動量を増やす工夫(階段を使う、一駅分歩くなど)から始めるよう具体的に提案します。

自己管理の理解度と実践状況

患者さんが自身の病気や治療についてどの程度理解し、日々の生活の中でどのように自己管理を行っているかを総合的に評価します。

  • 観察ポイント: 患者さんが糖尿病、その合併症、治療法(薬剤の効果や副作用、食事・運動療法の目的)について、自分の言葉でどの程度説明できるか。
    自己血糖測定(SMBG)を指示通り行い、その結果を解釈できているか。
    足の観察を毎日行えているか。
    シックデイ時の対応や低血糖時の対処法を理解しているか。
    療養生活に対する意欲や困難さ、悩み。
    家族のサポート状況。
  • アセスメント: 知識があっても実践できない、実践していても知識が不確かであるなど、患者さんの自己管理の状況は様々です。
    単に知識があるかだけでなく、それを日常生活の中で実践するためのスキル(注射手技、血糖測定方法、食事の選択など)があるか、また療養を続ける上での心理的な負担や社会的な障壁がないかなどを総合的に評価します。
    患者さんの年齢、認知機能、教育歴、生活環境、価値観などを考慮し、その人に合った個別的な指導計画を立てます。
    必要に応じて、患者会や地域のサポートシステムを紹介したり、精神的なケアを提供したりすることも看護師の役割です。

糖尿病合併症の観察項目

糖尿病の慢性合併症は、主に細小血管障害(糖尿病性神経障害、網膜症、腎症)と大血管障害(動脈硬化症による心血管疾患、脳血管障害、末梢動脈疾患など)に分けられます。
これらの合併症は、糖尿病の罹病期間が長く、血糖コントロールが不良であるほど発症・進行リスクが高まります。
日々の観察でこれらの兆候を見逃さないことが、重症化予防に繋がります。

糖尿病性神経障害(しびれ、痛み、感覚低下など)

糖尿病で最も早期から現れやすい合併症の一つです。
手足の末梢神経だけでなく、内臓の働きを調整する自律神経も障害されます。

  • 症状:
    • 末梢神経障害: 足先や手先のしびれ、ジンジン、ピリピリ、チクチクする痛み(神経痛)、感覚低下(触覚、温痛覚、振動覚、位置覚)、筋力低下。
      症状は手袋・靴下型に分布することが多く、夜間に悪化しやすい傾向があります。
    • 自律神経障害: 起立性低血圧による立ちくらみ、めまい。
      消化器症状(便秘、下痢、胃もたれ、食欲不振)。
      発汗異常(局所的な無汗や多汗)。
      排尿障害(頻尿、残尿感、尿失禁)。
      勃起障害。
      無痛性心筋虚血(心筋梗塞の痛みが感じにくい)。
      低血糖無自覚(低血糖の初期症状に気づきにくい)。
  • 観察ポイント: 患者さんの自覚する症状(しびれ、痛み、冷感、立ちくらみ、便通異常など)の有無、部位、程度、出現パターン。
    足の感覚(触覚、温痛覚、振動覚)を簡単な方法で評価する(例: モノフィラメントテスト)。
    アキレス腱反射の減弱・消失。
    起立性低血圧の測定。
    排便・排尿回数や状態。
    発汗状態。
  • アセスメント: 末梢神経障害による感覚低下は、外傷や感染に気づきにくくなり、足病変のリスクを著しく高めます。
    足のケアや靴選びに関する指導が不可欠です。
    神経痛が強い場合は、痛みの性質や程度を評価し、適切な鎮痛薬の使用や非薬物療法(温罨法など)を検討します。
    自律神経障害は様々な臓器に影響を及ぼすため、症状に応じた対症療法(例: 下剤、制吐剤、降圧薬など)や生活指導(例: 起立性低血圧ならゆっくり立ち上がる、便秘なら食物繊維摂取など)が必要です。
    特に低血糖無自覚は、重症低血糖のリスクを高めるため注意が必要です。

糖尿病性網膜症(視力低下、飛蚊症など)

網膜の細い血管が障害される合併症で、進行すると失明に至る可能性のある重篤な合併症です。

  • 症状: 初期段階では自覚症状はほとんどありません。
    病状が進行すると、視力低下、目のかすみ、飛蚊症(視界に黒い点や虫のようなものが見える)、視野の異常(一部が見えにくい)、光視症(閃光が見える)。
  • 観察ポイント: 患者さんの自覚する視力や視野の変化。
    眼科への定期受診(推奨は年1回以上、進行度に応じて頻回に)の遵守状況。
    眼底検査、OCT(光干渉断層計)、蛍光眼底造影などの検査結果。
    日常生活での視力の影響(読書、運転、自己管理行動など)。
  • アセスメント: 網膜症は自覚症状が出現した時にはすでに進行していることが多いです。
    そのため、自覚症状の有無に関わらず、定期的な眼科受診による眼底検査が極めて重要です。
    患者さんが眼科受診の重要性を理解し、きちんと受診しているかを確認します。
    急激な視力低下や飛蚊症の増加は、網膜出血、硝子体出血、網膜剥離など緊急性の高い病態を示唆する可能性があり、速やかに医師に報告し、緊急眼科受診の必要性を判断します。
    視力低下が進行すると、インスリンの単位確認や自己注射、自己血糖測定など、自己管理行動が困難になるため、支援方法(例: 音声読み上げ機能の活用、支援者による介助など)を検討する必要があります。

糖尿病性腎症(尿蛋白、浮腫など)

腎臓の糸球体血管が障害される合併症で、進行すると腎機能が低下し、最終的には腎不全となり透析が必要になります。

  • 症状: 初期は無症状。
    進行すると尿蛋白陽性(尿が泡立つ)、浮腫(特に下肢、顔面)、高血圧の悪化。
    さらに進行すると、腎性貧血、倦怠感、食欲不振、吐き気、かゆみ、息切れ(尿毒症症状)などが出現します。
  • 観察ポイント: 尿量、尿の性状(泡立ち、色)。
    浮腫の有無、程度、部位(下肢、顔面)。
    体重の変化。
    血圧。
    検査データ(尿中アルブミン、尿蛋白、血清クレアチニン、eGFR)の推移。
    貧血の有無(ヘモグロビン値)。
    自覚症状(倦怠感、食欲不振など)の有無。
  • アセスメント: 尿中アルブミンや尿蛋白の出現は、腎症の早期サインであり、定期的な尿検査が重要です。
    eGFRの低下や尿蛋白の増加は腎機能の進行を示唆し、病期に応じた治療(血圧コントロール、血糖コントロール、レニン・アンギオテンシン系阻害薬の使用など)や食事指導(蛋白質、塩分、カリウム、リンなどの制限)が必要となります。
    浮腫や急激な体重増加は、腎機能の悪化や水分・塩分管理の不適切を示唆する可能性があります。
    腎機能が進行すると、薬剤の排泄が遅延し、副作用が出やすくなるため、内服薬の確認も重要です。
    末期腎不全に至った場合は、透析療法(血液透析、腹膜透析)または腎移植の選択肢があり、患者さんの意思決定支援や透析導入に向けた準備(シャント造設、腹膜透析カテーテル挿入など)に関する看護が必要です。

動脈硬化症(虚血性心疾患、脳血管障害、PADなど)

糖尿病は大血管障害のリスクを著しく高め、心臓、脳、下肢などの血管に動脈硬化を引き起こします。

  • 虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞):
    • 症状: 労作時の胸痛や圧迫感、放散痛(左肩、顎、背中など)、息切れ、冷汗、吐き気。
      糖尿病性神経障害がある患者さんでは、これらの痛みが典型的でなく(無痛性心筋虚血)、息切れや倦怠感のみの場合があるため注意が必要です。
    • 観察ポイント: 胸痛や不胸部症状の有無、出現状況(どのような時に起こるか)、持続時間、痛みの性質や程度。
      休息で症状が改善するか。
      ニトログリセリン使用の効果。
      呼吸困難感。
      心電図、心エコー、心臓カテーテル検査の結果。
      心疾患の既往歴。
  • 脳血管障害(脳梗塞、脳出血):
    • 症状: 突然の片側の手足の麻痺やしびれ、顔の歪み、ろれつが回らない、言葉が出にくい・理解できない、片方の目が見えない、視野の異常、平衡感覚の障害、めまい、歩行時のふらつき、激しい頭痛。
    • 観察ポイント: 神経症状(麻痺、しびれ、構音障害、意識レベルの変化など)の有無、出現状況、程度。
      発症時間。
      頭部画像検査(CT, MRI)の結果。
      既往歴(TIAなど)。
  • 末梢動脈疾患(PAD, 閉塞性動脈硬化症):
    • 症状: 下肢の冷感、しびれ、間欠性跛行(歩行時にふくらはぎなどが痛くなり歩けなくなるが、休憩すると回復する)、安静時痛(夜間などに痛みが強くなる)、足の潰瘍や壊死。
    • 観察ポイント: 下肢の色(蒼白、暗紫色など)、皮膚温(冷たいか)。
      足背動脈や後脛骨動脈の脈拍触知。
      ABI(足関節上腕血圧比)測定結果。
      間欠性跛行の有無、症状が出現するまでの歩行距離。
      安静時痛の有無。
      足の傷や潰瘍、壊疽の有無と状態。
  • アセスメント: これらの大血管合併症は生命予後に関わる重大な病態です。
    患者さんの自覚症状の訴えを軽視せず、詳細な問診と身体所見(脈拍、血圧、皮膚の色や温度、麻痺の有無など)の観察を丁寧に行います。
    特に無痛性心筋虚血など、典型的な症状が出にくい場合があるため、注意深く観察する必要があります。
    リスク因子(高血圧、脂質異常症、喫煙、肥満、家族歴など)の管理状況を確認し、予防的な介入(禁煙指導、生活習慣改善指導)や早期治療への繋げることが重要です。
    症状が出現した場合は、速やかに医師に報告し、緊急性に応じた対応を行います。

糖尿病足病変(傷、潰瘍、感染など)

糖尿病性神経障害による感覚低下、PADによる血行障害、感染しやすい状態が複合的に作用し、足に傷ができやすく、治りにくく、重症化しやすい病態です。
最悪の場合、下肢切断に至ることもあります。

  • 症状: 足の皮膚の変化(乾燥、ひび割れ、たこ、うおのめ)、水ぶくれ、傷、潰瘍、皮膚の色や温度の変化(赤み、熱感、蒼白、冷感)、腫れ、痛み(神経障害があると痛くないことも多い)、排膿、悪臭。
  • 観察ポイント: 毎日、足全体を詳細に観察する(患者さん自身、家族、看護師)。
    特に、指の間、足の裏、かかと、爪の周囲、関節の突出部など、見落としやすい部位を重点的に確認します。
    傷や潰瘍の有無、部位、大きさ、深さ(深達度)、排膿の有無、壊死組織の有無、肉芽の状態、周囲の皮膚の状態(発赤、腫脹、熱感)。
    足の変形(槌趾、外反母趾、シャルコー関節など)。
    爪の状態(肥厚、変形、巻き爪)。
    皮膚温。
    足背動脈・後脛骨動脈の脈拍触知。
    靴ずれや靴下による圧迫の跡がないか。
  • アセスメント: 足病変の予防と早期発見が最も重要です。
    神経障害やPADがある患者さんはハイリスク群であり、より頻回で丁寧な足の観察とケアが必要です。
    小さな傷や水ぶくれ、皮膚の変化でも放置せず、早期に医療機関を受診するよう指導します。
    すでに潰瘍がある場合は、創部の状態を正確に評価し(例: CLEAN分類、Wagner分類など)、適切な創傷処置、感染コントロール、血行改善に向けたケアを行います。
    患者さんや家族に、毎日の足の観察方法、清潔保持、保湿ケア、爪の切り方、適切な靴の選び方、素足で歩かないこと、熱傷予防など、具体的な足のセルフケア方法とその重要性を丁寧に指導することが不可欠です。
    異常を発見した場合は、速やかに医師に報告します。

低血糖・高血糖(シックデイ)の観察と対応

糖尿病の急性合併症である低血糖と重症高血糖(糖尿病ケトアシドーシス、高浸透圧高血糖症候群)は、迅速な対応が必要となる生命に関わる状態です。
これらのリスクを評価し、兆候を見逃さずに対応することが、看護師の重要な役割です。
シックデイは血糖コントロールが乱れやすい特別な状況であり、注意深い観察と患者指導が必要です。

低血糖の初期症状と重症化の兆候

血糖値が正常範囲(一般的に70mg/dL未満)より低下した状態です。
インスリン療法中やSU薬などの薬剤を使用している患者さんで起こりやすいです。

  • 初期症状(アドレナリン症状): 血糖値が急激に低下したり、比較的高い血糖値から急に下がったりした場合に現れやすいです。
    交感神経が興奮し、動悸、発汗、手の震え、不安感、空腹感、顔面蒼白などが起こります。
  • 中等度症状(中枢神経症状): 脳のエネルギー源であるブドウ糖が不足するために起こります。
    血糖値がさらに低下すると現れやすく、頭痛、目のかすみ、集中力低下、眠気、脱力感、めまい、イライラ、異常行動、ろれつが回らない、協調運動障害などが見られます。
  • 重症化の兆候: 血糖値がさらに著しく低下すると、意識が保てなくなり、傾眠、昏睡、全身痙攣に至ることがあります。
    これは自己での対処が不可能になった状態であり、生命に関わる緊急事態です。
  • 観察ポイント: 患者さんの自覚する症状の有無、種類、程度。
    症状が出現した時間帯や状況(食事との関連、運動後、夜間など)。
    直近の血糖測定値(SMBG)。
    低血糖の既往歴や頻度。
    低血糖無自覚の有無。
    症状出現前の状況(食事量、運動量、飲酒、体調不良、薬剤量)。
  • 原因: 薬剤量が多い、食事量が少ない、食事時間が遅れる、食事抜く、激しい運動、飲酒、入浴、体調不良(シックデイ)、インスリン注射部位の間違い、薬剤の吸収促進(マッサージなど)。
  • 緊急性の判断: 患者さんの意識レベル(自己で糖分を摂取できるか)。
    痙攣や意識障害の有無。
  • 対応:
    • 意識清明で経口摂取可能: 速やかにブドウ糖10g(ブドウ糖タブレットなど)または砂糖20g(砂糖入りジュース150-200mLなど)を摂取させます。
      15分後に血糖測定し、症状が改善していない場合は再度糖分を摂取させます。
      症状が改善したら、次の食事まで時間がある場合は、吸収の遅い糖質(ご飯、パン、クラッカーなど)を少量補食します。
    • 意識障害があり経口摂取不可: 口の中に無理やり物を入れない。
      医療機関への緊急搬送。
      医療従事者による静脈内へのブドウ糖溶液の投与。
      家庭ではグルカゴン注射(医師から処方され、使用方法の指導を受けている場合)。
  • 患者指導: 低血糖の症状を覚え、早期に気づくこと。
    低血糖時用として、常にブドウ糖や砂糖、甘い飲み物を携帯すること。
    症状が出たらすぐに糖分を摂取すること。
    低血糖を起こしやすい状況を知り、予防策をとること(食事・運動・飲酒時の注意)。
    低血糖になった場合の家族や周囲の人への対応方法を伝えておくこと。

高血糖の症状と緊急性の判断

高血糖が著しく、特にインスリン作用が不足している状態が続くと、糖尿病ケトアシドーシス(DKA)や高浸透圧高血糖症候群(HHS)といった生命に関わる急性合併症に進展する可能性があります。

  • 症状: 多飲、多尿、口渇、全身倦怠感、体重減少、吐き気、腹痛。
    DKAでは、さらに呼吸困難感、深く速い呼吸(クスマウル呼吸)、呼気のアセトン臭(甘酸っぱい匂い)、意識障害。
    HHSでは、高度の脱水、意識障害(DKAよりも意識障害が強い傾向)。
  • 観察ポイント: 患者さんの自覚症状(多飲、多尿、口渇、倦怠感、吐き気、腹痛)の有無、出現状況。
    血糖測定値(特に250mg/dL以上の高値)。
    尿ケトンの有無(特に血糖値が高い場合)。
    脱水の兆候(皮膚のツルゴール低下、粘膜の乾燥、眼球の陥没、頻脈、血圧低下)。
    意識レベル。
    呼吸状態(呼吸数、深さ、リズム)。
    呼気臭。
    発熱など感染の兆候。
  • 原因: インスリンの不足(打ち忘れ、量の不足、インスリンポンプの不調)、シックデイ(感染症、発熱、外傷、手術、精神的ストレスなど)、過食、運動不足、ステロイド使用、他の薬剤。
  • 緊急性の判断: 血糖値の高さ(特に250mg/dL以上が続く場合)、尿ケトンが中等度〜強陽性、高度の脱水、意識障害、著しい呼吸困難、持続する吐き気や腹痛、高熱などがある場合は、緊急性が高いと判断し、速やかに医療機関への受診・入院が必要です。
  • 対応:
    • 軽度〜中等度高血糖(ケトン陰性または微量): 血糖測定、尿ケトン測定。
      水分を十分に摂取(脱水予防)。
      食事・運動の見直し。
      必要に応じて医療機関へ相談。
    • 重症高血糖(ケトン陽性、脱水、意識障害など): 緊急医療機関への搬送。
      病院での集中的な治療(輸液、インスリン持続静注、電解質補正など)が必要です。
  • 患者指導: 高血糖の症状を知り、症状が出たら血糖測定、尿ケトン測定を行うこと。
    血糖値が高い場合やケトンが出ている場合は、水分を十分に(糖分のない水やお茶など)摂取すること。
    シックデイ時の対応方法(後述)を理解すること。
    医療機関への受診・連絡の目安(血糖値、ケトン、症状など)を知っておくこと。

シックデイ時の観察ポイントと指導

シックデイとは、糖尿病患者さんが発熱、下痢、嘔吐、食欲不振などで体調を崩した日を指します。
シックデイ時は体のストレス反応により血糖を上げるホルモンが多く分泌され、血糖コントロールが著しく乱れやすくなります。
インスリン抵抗性が高まり高血糖になりやすい一方、食事摂取量が減ることで低血糖になるリスクも伴います。
自己判断での薬の調節や中止は危険です。

  • 観察ポイント:
    • 体調: 発熱、咳、鼻水、のどの痛み、下痢、嘔吐、食欲不振、全身倦怠感の有無と程度。
    • 血糖: 普段より頻回に血糖測定を行う(例: 4〜6時間ごと)。
      高血糖だけでなく低血糖にも注意が必要です。
    • 尿ケトン: 血糖値が高い場合は必ず尿ケトンを測定します。
      特にインスリン療法中の患者さんでは重要です。
    • 水分・食事: 食事摂取量、水分摂取量。
      経口摂取可能か。
      吐き気や嘔吐の有無。
    • 薬剤: 内服薬(特にSU薬、速効型インスリン分泌促進薬、SGLT2阻害薬など)やインスリンの量を調整する必要があるか。
      自己判断での中止や減量は危険です。
      特にインスリンは自己判断で中止してはいけません(感染症などでむしろ増量が必要な場合もあります)。
      経口薬の種類によっては一時的に中止が必要なものもあります。
    • 自覚症状: 普段と違う症状がないか。
      特に重症高血糖(ケトアシドーシス、HHS)を示唆する症状(強い倦怠感、吐き気・腹痛、意識障害、深い呼吸、アセトン臭など)に注意します。
  • 指導:
    • 基本的な対応: 休息をとり、脱水予防のため水分を十分に摂取します。
      普段より頻回に血糖測定・尿ケトン測定を行います。
    • 食事: 食欲がなくても、脱水や飢餓性ケトーシス予防のため、少量でも消化の良い炭水化物(おかゆ、うどん、スープ、ゼリー、アイスクリーム、果汁など)を摂取します。
    • 薬剤: 自己判断で薬を中止したり減量したりしないこと。
      必ず主治医や看護師に相談します。
      特にインスリンは自己判断で中止してはいけません(感染症などでむしろ増量が必要な場合もあります)。
      経口薬の種類によっては一時的に中止が必要なものもあります。
    • 受診・連絡の目安:
      • 血糖値が〇〇mg/dL以上(個別設定、例: 250mg/dL以上)が改善しない。
      • 尿ケトンが中等度〜強陽性である。
      • 食事や水分が全く摂れない、または吐き気や嘔吐が続く。
      • 強い腹痛がある。
      • 高熱が出た(38℃以上など)。
      • 意識がもうろうとしている。
      • 症状が改善しない、または悪化する。

      これらの場合は、速やかに主治医に連絡するか、医療機関に受診する必要があります。
      患者さんに、事前に受診・連絡の目安を具体的に記載したシックデイハンドブックなどを渡し、家族とも情報を共有しておくことが望ましいです。

観察項目から看護アセスメント・看護計画へ繋げる

日々の観察で得られた情報は、単なる記録で終わらせるのではなく、患者さんの状態を深く理解し、個別的な看護ケアを計画するための基盤として活用することが重要です。
このプロセスを看護過程といいます。

情報の統合と解釈(アセスメント)

集められた様々な観察データ(バイタルサイン、自覚症状、検査結果、治療状況、生活状況など)を、点ではなく線で、また多角的に関連付けて解釈します。
例えば、「最近、やけに喉が渇いて、夜中に何度もトイレに起きる」「SMBGの食前血糖値が高い」「HbA1cが目標値を超えている」「食事記録を見ると、夕食後の間食が多い」といった情報が得られた場合、これらを統合して「高血糖が持続しており、特に夜間の血糖コントロールが不良である。
原因として、夕食後の間食が影響している可能性が高い」といったアセスメントを導き出します。
さらに、「患者さんは『間食しないと眠れない』と言っている」「間食を減らすことに対して抵抗感がある様子だ」といった心理的な情報も加えることで、高血糖の原因や患者さんの抱える問題に対する理解を深めます。
アセスメントの過程では、糖尿病に関する知識(病態生理、治療法、合併症など)と、患者さんの個別性を考慮する視点が不可欠です。

看護問題の特定と優先順位

アセスメントで明らかになった患者さんの健康問題や、それを引き起こしている要因、潜在的なリスクなどを、看護問題として具体的に表現します。
看護問題は、看護師のケアによって解決または改善が見込める事柄です。
例えば、「高血糖に関連した口渇」「高血糖に関連した全身倦怠感」「糖尿病性神経障害に関連した足部損傷のリスク」「食事療法に対する知識不足」「シックデイ時の対応に関する不安」「療養に対する自己効力感の低下」など、患者さんの状態を具体的に示すように記述します。
複数の看護問題がある場合は、患者さんの生命や安全に関わる問題(例: 低血糖・高血糖のリスク、合併症の進行リスク)を優先するなど、緊急度、重要度、解決可能性などを考慮して優先順位をつけます。

看護目標の設定

特定された看護問題に対し、患者さんと共有できる具体的な目標を設定します。
目標は、看護ケアによって患者さんの状態がどのように変化することを期待するのかを示すものであり、達成可能で、評価可能な内容であることが重要です。
目標は、患者さん自身が主体的に取り組めるよう、患者さんの言葉や希望を尊重しながら設定することが望ましいです。
例えば、「1週間以内に、低血糖の初期症状を3つ以上言えるようになる(教育目標)」「1ヶ月以内に、食後2時間血糖値が目標範囲内(例: 180mg/dL未満)に安定する(状態目標)」「退院までに、毎日の足の観察を習慣づけることができる(行動目標)」など、患者さんの状態、行動、または知識の変化に焦点を当てて設定します。
短期目標(数日〜1週間)、中期目標(数週間〜数ヶ月)、長期目標(数ヶ月〜1年)を設定することもあります。

看護計画(OP/TP/EP)の立案

目標達成に向けた具体的な看護介入の内容を計画します。
計画は、観察計画(OP: Observation Plan)、援助計画(TP: Treatment Plan/Therapeutic Plan)、教育計画(EP: Education Plan)の3つの視点から立案すると網羅的になります。

  • OP(観察計画 - Observation Plan): 設定した目標を達成するため、または看護問題が解決に向かっているかを評価するために、どのような項目を、どのくらいの頻度で、どのような方法で観察するかを具体的に計画します。
    例えば、「毎食前・食後2時間、就寝前、早朝に血糖測定を行い、結果を記録する」「毎日、足全体の色、皮膚温、傷の有無、浮腫の有無を観察する」「患者さんの言葉で、低血糖の自覚症状の有無、種類、程度を問診する」「食事記録を確認し、摂取カロリー、炭水化物量、食事時間、間食の有無を把握する」。
  • TP(援助計画 - Treatment Plan/Therapeutic Plan): 患者さんの状態を改善したり、問題解決を支援したりするための具体的な看護ケアや援助内容を計画します。
    医師の指示に基づく医療処置だけでなく、看護師独自の判断で行えるケアも含みます。
    例えば、「医師の指示に基づき、指示されたタイミングと単位数でインスリンを正確に投与する」「足の皮膚が乾燥している場合は保湿クリームを塗布する」「食欲不振があり食事摂取量が少ない場合は、患者さんの好みに合わせた少量高カロリーの食品を検討・提供する」「間欠性跛行がある場合は、無理のない範囲での歩行を促す」「夜間の頻尿で睡眠不足がある場合は、日中の水分摂取を促し、就寝前の水分摂取量を調整するよう指導する」。
  • EP(教育計画 - Education Plan): 患者さんや家族が必要な知識やスキルを習得し、自己管理能力を高め、病気と向き合う力を養うための教育内容や方法を計画します。
    患者さんの理解度、学習意欲、学習スタイルに合わせて個別的に実施します。
    例えば、「低血糖の症状、原因、対処法について、具体的な食品例を提示しながら説明し、経口摂取可能なブドウ糖を携帯するよう指導する」「インスリン自己注射の手技について、デモンストレーションを行い、患者さんの手技を評価・修正する」「足の清潔保持、保湿、爪切り、靴の選び方、毎日の足の観察方法について、実践を交えながら指導する」「シックデイ時の対応について、配布資料(シックデイハンドブックなど)を用いて、受診・連絡の目安を含めて具体的に説明する」「食事療法に関する患者さんの疑問や困難について傾聴し、具体的な工夫や代替案を一緒に検討する」。

これらの計画に基づき、日々の看護ケアを実施します。
実施後は、その効果を評価し、目標が達成されているか、看護問題が解決に向かっているかを確認します。
必要に応じて、看護計画を修正したり、新たな看護問題を設定したりと、継続的なプロセスとして看護を実践します。
観察は、この看護過程全体を通して行われる基盤となる活動であり、常に患者さんの状態変化を捉え、ケアに反映させるための重要な役割を担っています。

まとめ:糖尿病の観察項目を日々の看護に活かす

糖尿病患者さんの看護は、血糖コントロールだけでなく、合併症の管理、自己管理能力の向上支援、心理的なサポートなど、多岐にわたります。
本記事では、糖尿病患者さんの日々の看護において不可欠な観察項目を、全身状態、自覚症状、検査データ、治療状況、合併症、急性合併症のリスクといった多角的な視点から詳しく解説しました。

日々の丁寧な観察は、患者さんの病状を正確に把握し、治療の効果や問題点を早期に発見するために極めて重要です。
バイタルサインのわずかな変化、患者さんの言葉にならない自覚症状、検査データのトレンド、自己管理行動の状況、そして合併症の微細な兆候など、多岐にわたる情報を注意深く収集し、統合的に解釈することが看護師には求められます。

観察で得られた情報は、看護アセスメントの基盤となり、患者さんの抱える具体的な看護問題を特定し、個別的な看護目標の設定、そして具体的な看護計画(観察計画、援助計画、教育計画)の立案へと繋がります。
看護計画に基づいたケアを実施した後も、その効果を観察によって評価し、必要に応じて計画を見直すという、看護過程の継続的なサイクルにおいて、観察は常に中心的な役割を担います。

糖尿病の看護では、患者さん自身が病気と向き合い、自己管理を行えるように支援することが非常に重要です。
そのため、患者さんの自己管理の理解度や実践状況、療養に対する思いや悩みを丁寧に観察し、患者さんの主体性を尊重した個別的な指導・支援を提供することが不可欠です。
シックデイのような特別な状況での対応や、低血糖・高血糖といった緊急性の高い状態への迅速な対応能力も、日々の観察と実践を通して養われる重要なスキルです。

医療技術や糖尿病治療に関する知識は日々進歩しています。
看護師は常に最新のエビデンスや診療ガイドラインに基づきながら、本記事でご紹介した観察項目を日々の看護実践に活かし、質の高い糖尿病看護を提供していくことが期待されています。
患者さん一人ひとりの全体像を理解し、その人らしい生活を支えるために、観察の視点を広げ、スキルを高めていきましょう。


免責事項:
本記事は、一般的な情報提供を目的として作成されたものであり、特定の患者さんの状態に基づいた医学的アドバイスや治療方針を示すものではありません。
個々の患者さんの診断、治療、ケアについては、必ず担当の医師や医療専門家の指示に従ってください。
本記事の情報に基づいて行った行為によるいかなる結果についても、当方は責任を負いかねます。
情報は常に更新される可能性があるため、最新の医療情報やガイドラインを参照してください。

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