花粉症はサプリメントで対策できる?症状に応じた成分について
花粉症に効果のあるサプリメントとしては、免疫機能を正常化するサプリメントや防御機能を高めるものが良いとされています。
地域にもよりますが、早いところでは1月から花粉が飛散し始めるため、早期の対策が必要です。
この記事では花粉症の症状と原因・飛散時期・効果が期待できるサプリメントを紹介しています。
花粉症の症状と原因について
「花粉症」は、スギやヒノキなどの植物の花粉が原因で生じるアレルギーで、医療用語では「季節性アレルギー性鼻炎」と呼ばれます。
花粉症の症状は、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目の痒み・充血などがあげられ、重篤化すると喘息やアトピー症状を併発するため、日本のように4人に1人が発症する国では注意が必要です。
また、これらの症状は、体内に入り込んだアレルゲンを取り除こうとする免疫反応によって生じています。
花粉症の原因となる花粉は約50種類報告されていますが、花粉症の約70%はスギ花粉症だと考えられており、理由としては、我が国では全国の森林の18%、国土の12%をスギが占めているためと言われています。
花粉症のメカニズムについて
花粉が目や鼻の粘膜から侵入すると、異物に対抗するために、抗体であるIgE抗体が作られます。
IgE抗体は、マスト細胞(肥満細胞)に結合し、ヒスタミン・ロイコトリエン・トロンボキサチンなどのアレルギー誘発物質を生成し、放出されると神経や血管を刺激して、くしゃみや鼻水といった花粉の症状を引き起こします。
これが、花粉症のメカニズムです。花粉症は、IgE抗体が体内に蓄積し一定量を超えた時に初めて花粉症を発症するため、同じ地域に住んでいても発症する人としない人が存在します。
また、花粉症の他に、ダニ・真菌・昆虫・ペットの毛などのアレルゲンによって引き起こされる鼻炎は、季節を問わず現れる疾患のため「通年性アレルギー性鼻炎」と呼ばれます。
ダニのフンや死骸・埃などによって引き起こされるため、部屋の中を清潔に保つ工夫が必要です。
花粉症になりやすい人について
花粉症は遺伝的にアレルギー体質であることが主な原因ですが、それ以外にもいくつかの原因があげられます。
まず、一般的にあげられるのは食生活の変化です。同じ地域に住んでいる高齢者は有病率が低く、アレルギー体質の人があまりいません。昔からの和食文化では、アレルギー体質になりにくい要素があるのかもしれません。
次に、自律神経の乱れです。睡眠不足や不規則な生活・ストレスによってアレルギーを引き起こしているとも言われています。生活習慣を見直すことで花粉症が楽になるでしょう。
また、排気ガスやアスファルトの影響も受けています。
これは、排気ガスに含まれる微粒子と一緒に花粉を吸い込むことで、アレルギー反応が出やすくなるためです。
アスファルトの場合、土と違い、花粉が落ちても吸収できないため、再び空中に舞い上がってしまいます。都会に住んでいる人は花粉の影響が大きいと言えるでしょう。
花粉の飛散時期について
花粉症は約50種類ありますがその中でもスギ・ヒノキ・シラカンバ・イネ科・キク科の植物に対するアレルギーが多いです。そこで、5種類の植物の飛散時期と年間飛散量を説明します。
【スギ】
北海道を除いた地域では年初から飛び始めて3月にピークを迎えて5月くらいまで飛散し、花粉のピークには50.1〜個/cm2/日もの量になります。
【ヒノキ】
全国で見られ、2月から6月まで花粉が飛散します。北海道では4月5月に0.1〜5.0個/cm2/日の飛散量ですが、他の地域のピーク時には50.1〜個/cm2/日の量が飛散します。
【シラカンバ】
シラカンバは北海道と東北地方で4〜6月に見られます。特に北海道での飛散量が多く、ピーク時には5.0〜50.0個/cm2/日の量の花粉が飛散します。
【イネ科】
イネ科の植物は3月頃から10月までと長い期間飛散します。飛散量は全国的に0.05〜1.0個/cm2/日ですが、関東・東北では5月に、北海道では6月にピークを迎え、1.1〜5.0個/cm2/日程度の量が飛散しています。
【キク科】
キク科には2種類の属性があり、ブタクサ属・ヨモギ属があげられます。キク科の花は7月〜11月ごろに飛散し、0.05〜1.0個/cm2/日の地域がほとんどです。しかし、ブタクサに関しては東北と関東のピーク時には5.1〜個/cm2/日と多く飛散しています。
飛散量について
前述では花粉症の飛散時期について簡単に説明しましたが、2020年から2022年にかけてどのくらい飛散量に変化があったのでしょうか。ここからはグラフとともに説明していきます。
※北海道はシラカンバ・その他はスギ・ヒノキ花粉の飛散量を表します。
参照:2020年 春の花粉飛散予測(第4報) ~花粉シーズンがスタート 東京も飛散開始~ | JWAニュース
日本気象協会 2021年 春の花粉飛散予測(第4報)~花粉シーズンがスタート!九州、四国では早くもピーク時期に突入!~ | JWAニュース
日本気象協会 2022年 春の花粉飛散予測(第4報) ~九州地方全域でスギ花粉の飛散開始! いよいよ花粉シーズンへ~ Press Release 2022.02.17
上記のグラフを見ると北海道では2020年2021年に比べ非常に多い量の花粉が飛んでいることがわかります。
また、東海地方以外でも2022年の飛散量は例年に比べ多い傾向でした。花粉は気温が高く、日照時間が多く、雨が少ない夏に花芽が多く形成され、翌春の飛散量が多くなる傾向があります。
地球温暖化の影響もあり今後も花粉が増加していくでしょう。
花粉に役立つ栄養素について
アレルギーの増加はオメガ6系脂肪酸とオメガ3系脂肪酸のバランスが悪くなっていることや、腸内環境が悪いことが原因です。
オメガ6系脂肪酸は、肉や加工食品・スナック菓子に含まれる成分、オメガ3系脂肪酸は魚やナッツ・海藻類に含まれています。日本人の食生活が欧米化に向かっていることで、オメガ3系脂肪酸の摂取量が減少しており、アレルギーの増加に繋がっています。
腸内環境を整え、免疫機能を正しく機能させるには、EPA・DHA・ビタミン・亜鉛・乳酸菌・食物繊維などの栄養素が重要です。
ここからは花粉症に効果的な栄養素について一つずつ解説します。
DHA・EPA
DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)は、マグロやサバ、鮭、サンマなどに多く含まれます。また、エゴマ油やアマニ油などの植物油にも豊富に含まれる成分です。
体内の免疫反応の調整や、脂肪燃焼の促進、血小板凝集などの働きや、皮膚炎・アレルギー症状・高血圧などの予防と改善に効果が期待できるため、日頃から取り入れましょう。
サバ缶のような缶詰を利用することで、手軽にEPA・DHAを取り入れられますが、「DHC|DHA」や「Nature Made|スーパーフィッシュオイル」などのサプリメントを取り入れても良いでしょう。
ビタミン
花粉症対策には、ビタミンB・C・Dを摂取すると良いとされています。
ビタミンB群には、疲労回復効果や、粘膜の保護効果、ダメージ修復効果があり、ビタミンCは抗炎症作用やヒスタミンの働きを和らげる効果があり、アレルギーの緩和に役立ちます。
さらに、ビタミンDは免疫力を高める効果があり、紫外線を浴びることでビタミンDの生成が可能です。
ビタミンB群は魚や肉・ナッツ類に多く含まれ、ビタミンCは果物・野菜、ビタミンDはしらす干しやあんこうの肝などの魚に多く含まれています。
食品で補うとそれなりの量を摂取しなければならないため、「Dear-Natura|ビタミンC」や「DHC|マルチビタミン」などのサプリメントを食品と組み合わせることも可能です。
亜鉛
亜鉛は体内で作れない「必須微量ミネラル」で歯・骨・肝臓・腎臓・筋肉に多く含まれ、免疫機能を正常に維持する働きや、200種類以上の酵素の構成や酵素反応の活性化・味覚の保持など、体の維持に必要な栄養素で、アレルギー予防が期待されます。
亜鉛を多く含む食品は牡蠣や豚レバー・牛赤身肉・カシューナッツ・卵などで、クエン酸やビタミンCと一緒に摂ることで摂取効率が上昇します。
牡蠣やレバーなどは味の好き嫌いが分かれる食品ですので、「DHC|亜鉛」や「FANCL|亜鉛」などを使用すると良いでしょう。
乳酸菌
免疫機能の発達・維持には腸内細菌が大きな役割を果たしていると考えられており、乳酸菌やビフィズス菌などの有用菌を含む食品を摂取することで、花粉症が緩和されるという研究結果も報告されています。
日本以外でも、食事などによって腸内フローラのバランスを改善することで花粉症予防や症状緩和につなげようとする研究が行われているため、気になる時期にはヨーグルトなどを取り入れると良いでしょう。
乳酸菌のサプリメントも販売されており、「ドクターシーラボ|10兆個の乳酸菌」や「カルピス健康通販|アレルケア」など、効率よくさまざまな種類の乳酸菌が取り入れられます。
食物繊維
食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があります。水溶性食物繊維は腸内環境を整える働きを持っており、腸内環境が良くなると免疫機能も向上し、結果的に花粉症の症状も緩和されます。
水溶性食物繊維が多く含まれている食品は、ワカメやひじきなどの海藻類・イモ類、不溶性食物繊維が多く含まれる食品はごぼうや大豆などです。
不溶性食物繊維は比較的摂りやすいですが、水溶性食物繊維が含まれる食品は少ないため、「小林製薬|イージーファイバー」や「ロハスタイル|難消化性デキストリン」などのサプリメントを使用しても良いでしょう。
花粉症で代表的なサプリメントを紹介
前述では花粉症で使用される代表的なサプリメントを紹介しましたが、ここからは金額や製品の比較を交えて紹介します。参考にしてみてください。
DHA・EPA |
健康家族|かしこく摂りたいDHA&EPA |
DHC|DHA |
Nature Made|Super Fish Oil |
値段(税込) (定期便) |
3,672円 (3,304円/30日分) |
1,280円 (964円/30日分) |
1,196円 |
内容量 |
120粒(30日分) |
120粒(30日分) |
90粒(90日分) |
1日あたりの価格 |
122円(定期110円) |
43円(定期32円) |
13円 |
分類 |
栄養機能性食品 |
機能性表示食品 |
機能性表示食品 |
機能性関与成分 |
なし |
なし |
なし |
詳細 |
ビタミン(マルチビタミンの場合) |
Dear-Natura|マルチビタミン |
DHC|マルチビタミン |
KIRIN|iMUSE |
値段(税込) (定期便) |
886円(Amazon) (797円/30日分) |
381円 (285円/30日分) |
2,360円 (4,240円/2袋) お試し注文500円 |
内容量 |
90粒(90日分) |
30粒(30日分) |
15粒(15日分) |
1日あたりの価格 |
10円 (定期9円) |
13円 (定期10円) |
157円 (141円/2袋) |
分類 |
栄養機能食品 |
栄養機能食品 |
機能性表示食品 |
機能性関与成分 |
なし |
なし |
プラズマ乳酸菌 |
詳細 |
亜鉛 |
DHC|亜鉛 |
FANCL|亜鉛 |
小林製薬|亜鉛 |
値段(税込) (定期便) |
288円 (216円/30日分) |
864円 (777円/30日分) |
2,430円 (2187円/90日分) |
内容量 |
30粒(30日分) |
60粒(30日分) |
180粒(90日分) |
1日あたりの価格 |
10円 (定期7円) |
29円 (定期26円) |
27円 (定期24円) |
分類 |
栄養機能食品 |
栄養機能食品 |
栄養補助食品 |
機能性関与成分 |
なし |
なし |
なし |
詳細 |
乳酸菌 |
ドクターシーラボ|10兆個の乳酸菌 |
カルピス健康通販|アレルケア |
KIRIN|iMUSE |
値段(税込) (定期便) |
3,024円 (4,741円/2袋) |
4,200円 (3,360円/2袋) |
2,360円 (4,240円/2袋) お試し注文500円 |
内容量 |
30粒(30日分) |
60粒(60日分) |
15粒(15日分) |
1日あたりの価格 |
101円 (79円/2袋購入) |
70円 (56円/2袋購入) |
157円 (141円/2袋購入) |
分類 |
健康補助食品 |
健康志向食品 |
機能性表示食品 |
機能性関与成分 |
記載なし |
L-92乳酸菌 |
プラズマ乳酸菌 |
詳細 |
|
食物繊維 |
小林製薬|イージーファイバー |
ロハスタイル|難消化性デキストリン |
FANCL|食物繊維 |
値段(税込) (定期便) |
635円(Amazon) |
950円(Amazon) |
1944円(楽天) |
内容量 |
30包 |
500g(50日分) |
6.8g×30包 |
1日あたりの価格 |
21円 |
18円 |
65円 |
分類 |
特定保健用食品 |
記載なし |
健康補助食品 |
機能性関与成分 |
なし |
なし |
なし |
詳細 |
価格や容量も異なりますが、分類も会社によって様々です。自分の目でよく確かめて購入しましょう。
サプリメントを飲む際に注意すること
サプリメントは手軽に摂取できますが、成分を濃縮していたり、医薬品の成分を含んでいるものが多く存在します。また、内服している薬との相互作用で思わぬ健康被害が発生することも。
病気にかかっている人や薬を内服している人は、健康食品を自己判断で使用せず、医師や薬剤師の判断を仰いでから使用しましょう。
インターネットが普及した影響もあり、ネットでサプリメントが購入できる時代になりましたが、海外から個人で輸入したものを服用して健康被害を受けた人も多く存在します。海外からの輸入には十分注意が必要です。
また、天然成分だからと言ってアレルギーが出ないとは限らないことを頭に入れておいてください。アレルギーは全ての人に起こるものではありませんが、天然・自然由来の成分を使った製品はアレルギーを起こすことがありますので注意しましょう。
過剰摂取による被害
サプリメントの成分には、摂取したい要素以外の成分が含まれています。そのため、過剰摂取してしまうことも。そこで各ビタミンの過剰摂取症状について以下に記載します。
まず水溶性ビタミンであるビタミンB1・B2・B6・ナイアシン・パントテン酸・ビタミンB12・ビタミンCは尿中に排泄されるため過剰症の心配はあまりありません。
ただし何十倍もの量を摂取するとビタミンB2で知覚障害、ビタミンCで下痢、ビタミンB6で神経障害・シュウ酸腎臓結石、ナイアシンで皮膚発赤作用などが起こります。
また、脂溶性ビタミンは過剰摂取に注意が必要です。ビタミンAでは脱毛・皮膚の剥離・頭痛・奇形児・食欲不振・悪心・嘔吐、ビタミンDでは高カルシウム血症・軟組織の石灰化・腎障害・食欲不振・頭痛・口渇、ビタミンKでは下痢・悪心・嘔吐などが起こります。
サプリメントだけに頼らず、食事からの摂取を心がけましょう。
医薬品との飲み合わせ
健康食品の成分と服用している医薬品の相互作用によって、健康被害を起こすことがあります。
例えば、ビタミンB6を抗てんかん薬であるフェニトインと一緒に服用すると薬効が弱くなることや、ビタミンKと抗凝固剤であるワーファリンの組み合わせで薬効が弱くなるなどの影響があります。
そのため、薬を服用している人は健康食品を同時に摂取することは控えましょう。どうしてもサプリメントを服用したい場合は、医師や薬剤師のアドバイスを受けてから使用してください。
また、健康食品を使用するのであれば、表示されている「適切な使用法」「使用上の注意事項」を守りましょう。
サプリメントを摂るなら
サプリメントは手軽に摂取できますが、飲み方や容量を間違えると思わぬ健康被害に繋がります。バランスの良い食生活を心がけましょう。どうしてもサプリメントで補いたい場合は、上記の内容を踏まえて、症状別にサプリメントを選択してください。